2016-12-31

100th Death Anniversary of Ernst Rudorff

Ernst Rudorff (Germany, 1840 - 1916) - 8 Fantasiestücke, Op. 10; No. 7. Andantino con moto (G major)

今日はドイツの作曲家・音楽教師、エルンスト・ルードルフ没後100年の命日です。今回はルードルフ作曲「8つの幻想的小品 Op. 10」より第7曲 ト長調を弾きました。

エルンスト・ルードルフはベルリンに生まれました。父は法学者でフリードリヒ・ヴィルヘルム大学教授のアドルフ・アウグスト・フリードリヒ・ルードルフ (Adolf August Friedrich Rudorff, 1803 - 1873)、母はフェーリクス・メンデルスゾーン (Felix Mendelssohn, 1809 - 1847) とその姉妹の友人として知られるベティ・ピストア (Elisabeth "Betty" Pistor, 1808 - 1887)、母方の祖父は腕木通信に関する発明家のカール・フィーリプ・ハインリヒ・ピストア (Carl Philipp Heinrich Pistor, 1778 - 1847) です。

1850年から1857年までヴォルデマール・バルギール (Woldemar Bargiel, 1828 - 1897) にピアノと作曲を、1852年から1854年までルイ・リース (Louis Ries, 1830 - 1913) にヴァイオリンを、1858年にクララ・シューマン (Clara Schumann, 1819 - 1896) にピアノを師事しました。1859年から1860年まで神学と歴史学をベルリンとライプツィヒの大学で学び、並行して1859年から1861年までライプツィヒ音楽院 (Conservatorium der Musik) でも学びました。音楽院ではイグナーツ・モシェレス (Ignaz Moscheles, 1794 - 1870) にピアノを、ユリウス・リーツ (Julius Rietz, 1812 - 1877) に作曲を師事しています。1861年から1862年までカール・ライネッケ (Carl Reinecke, 1824 - 1910) とモーリッツ・ハウプトマン (Moritz Hauptmann, 1792 - 1868) の個人教授を受けています。

1865年からケルン音楽院 (Conservatorium der Musik in Coeln) で、1869年から1910年までベルリン高等音楽学校 (Königlich Akademischen Hochschule für ausübende Tonkunst) でピアノ教師となりました。1867年にケルンでバッハ協会 (Bach-Verein) を設立し、1880年から1890年までシュテルン合唱協会 (Stern Gesangverein) の指揮者を務めました。自著論文 ( „Heimatschutz“. In: Grenzboten, 56. Jg. 1897, Nr. 2, S. 401-414, 455-468.) の題名とした「郷土保護」(Heimatschutz) を提唱し、環境保護・景観保護運動を推進したことでも知られています。

教え子に以下の人物がいます。

追記: 経歴を加筆しました (2020-02-13)。

出典:

2016-12-24

Louise Farrenc - Etude, Op. 42 No. 19

Louise Farrenc (1804 - 1875) - 20 Études de genre et de mécanisme (20 Études de moyenne difficulté), Op. 42 (Dedicated to Mademoiselle Marie Colin). No. 19. Adagio religioso, molto legato (F sharp major)

フランスの作曲家・ピアノ奏者、ルイーズ・ファランク作曲「ジャンルとメカニスムの20の練習曲 (中級の難度の20の練習曲) Op. 42」より「第19番 嬰ヘ長調」を弾きました。

この練習曲集はファランクの6段階の教本からなる「ピアニストの学校 L'école pianiste」のうちの2冊目にあたります。第19番はレガートの練習曲で、コラール風に書かれています。

2016-12-16

Russian composer, Pyotr Abramovich Khvoshchinsky

Pyotr Abramovich Khvoshchinsky (P. Khvostchinsky ; Пётр Абрамович Хвощинский, Russia, 1882 - 1920) -
3 Morceaux pour piano, Op. 8 (Moscow: P. Jurgenson, 1910); No. 3. Mazurka, e-Moll

6 Morceaux pour piano, Op. 10 (Moscow: P. Jurgenson, 1911); No. 5. Prélude, cis-Moll

2 Préludes pour piano, Op. 13 (Moscow: P. Jurgenson, 1912); No. 2. Prélude, C-Dur

ロシアの作曲家・軍人、ピョートル・アブラーモヴィチ・フヴォシチーンスキーのピアノ小品から「マズルカ ホ短調 Op. 8 No. 3」、「前奏曲 嬰ハ短調 Op. 10 No. 5」、「前奏曲 ハ長調 Op. 13 No. 2」を弾きました。

Энциклопедия Традиция (traditio.wiki) によると、サンクトペテルブルクに生まれたフヴォシチーンスキーは、1902年よりペテルブルク音楽院でニコライ・ソコローフ (Nikolay Sokolov, 1859 - 1922) に、1905年よりニコライ・チェレプニーン (Nikolay Tchelepnin, 1873 - 1945) に、1908年にニコライ・リムスキー=コルサコフ (Nikolay Rimsky-Korsakov, 1844 - 1908) に、その後アナトーリー・リャードフ (Anatoly Lyadov, 1855 - 1914) などに師事。軍人としては第一次世界大戦中に陸軍中佐 (Подполковник) に昇進したものの、ロシア内戦の最中の1919年にモスクワのブティールカ監獄に収容され、獄中で病死したということです。

ペテルブルク音楽院在学中に同院の学生だった音楽家というと、レオニード・クロイツァー (Leonid Kreutzer, 1883 - 1953)、アルトゥール・レンバ (Artur Lemba, 1885 - 1963)、エフレム・ジンバリスト (Efrem Zimbalist, 1889 - 1985)、ボリス・アサフィエフ (Boris Asafyev, 1884 - 1949)、セルゲイ・プロコフィエフ (Sergey Prokofiev, 1891 - 1953)、ニコライ・ミャスコフスキー (Nikolay Myaskovsky, 1881 - 1950)、マクシミリアン・シテインベルク (Maksimilian Steinberg, 1883 - 1946) などがいます。これらの音楽家の中にフヴォシチーンスキーと交友のあった人物がいるかもしれません。また作品の被献呈者を見ると、「小さなワルツ ト長調 Op. 10 No.4」がピアノ奏者のレオカディヤ・カシペロヴァ (Leokadiya Kashperova, 1872 - 1940) に献呈されています。

2016-12-03

150th Death Anniversary of Johann Wenzel Kalliwoda

Jan Václav Kalivoda (Johann Wenzel Kalliwoda, Czech, 1801 - 1866) - Sonate pour le pianoforte (E flat major), Op. 176; II. Allegretto (A flat major)

今日はチェコ出身の作曲家・ヴァイオリン奏者、ヤン・ヴァーツラフ・カリヴォダ (ヨハン・ヴェンツェル・カリヴォダ) 没後150年の命日です。今回はカリヴォダ作曲「ピアノソナタ 変ホ長調 Op. 176」より第2楽章を弾きました。

カリヴォダといえば「オーボエとピアノのためのサロン用小品 Op. 288」がよく演奏されますね。室内楽もたくさんありますが、ピアノ曲ではワルツ、ギャロップ、ポルカ、コントルダンスといった舞曲を主に書いています。

2016-11-29

100th Death Anniversary of Eugène Anthiome

Eugène Anthiome (France, 1836 - 1916) - 6 Croquis d'album pour piano; No. 4. Canon mélodique (A major)

今年没後100年を迎えたウジェーヌ・アンティオーム作曲「6つのアルバムのスケッチ」より第4曲「旋律的カノン イ長調」を弾きました。この曲集の各曲、「内緒話」、「ボレロ」、「静けさ」、「旋律的カノン」、「空中のワルツ」、「バレエの調べ」はそれぞれ別の人物に献呈されていて、この「旋律的カノン」は「音楽院教授マルモンテル氏」(Monsieur Marmontel, professeur au Conservatoire)、1848年にパリ音楽院ピアノ科教授に就任したアントワーヌ・フランソワ・マルモンテル (Antoine François Marmontel, 1816 - 1898) に献呈されています。

ロリアンに生まれたウジェーヌ・アンティオームは、パリ音楽院でアントワーヌ・エルヴァール (Antoine Elwart, 1807 - 1877) に和声を、フランソワ・ブノワ (François Benoist, 1794 - 1878) にオルガンを、ミケーレ・カラファ (Michele Carafa, 1787 - 1872) に作曲を師事します。1861年のローマ賞では第一等首席のテオドール・デュボワ (Théodore Dubois)、第一等次席のテオドール・サロメ (Théodore Salomé) に次いで、第二等を受賞しました。1863年よりパリ音楽院のピアノ教師となり、教え子の中には予科ピアノクラスにいたモーリス・ラヴェルがいます。

2016-11-24

150th Birth Anniversary of Swan Hennessy

Swan Hennessy (America, 1866 - 1929) - En passant.... (Études d'après nature), Op. 40; No. 2. Champs de blé au clair de lune

今日は米国出身の作曲家スワン・ヘネシー生誕150年の誕生日です。今回はヘネシー作曲「....を通りかかって (自然に基づくエチュード集) Op. 40」より第2曲「月明かりの小麦畑」を弾きました。

イリノイ州ロックフォードに生まれたスワン・ヘネシーは、ドイツのシュトゥットガルト音楽院 (現在のシュトゥットガルト音楽演劇大学) で学んだのち、フランスのパリで主に活動します。

「....を通りかかって Op. 40」は5曲の練習曲からなり、それぞれに「高地の牧場の小さな牧夫」、「月明かりの小麦畑」、「日曜日にフラマンの小さな街で」、「雪の山頂」、「鉄道でのシエスタ」という題が付いています。

2016-11-13

100th Death Anniversary of Frederick Septimus Kelly

Frederick Septimus Kelly (Australia/England, 1881 - 1916) - A Cycle of Lyrics for the Pianoforte, Op. 4; No. 3. Idyl. Andante (A flat major)

今日はオーストラリア出身のイングランドのボート選手・作曲家・ピアノ奏者、フレデリック・セプティマス・ケリー没後100年の命日です。今回はケリー作曲「ピアノのための連作抒情詩 Op. 4」より第3曲「牧歌 変イ長調」を弾きました。

アイルランド出身の羊毛仲買人トーマス・ハシー・ケリーの子としてシドニーに生まれたフレデリック・セプティマス・ケリーは、イングランドのイートン・カレッジオックスフォード大学ベリオール・カレッジでボート選手として活躍し、進学先のホッホ音楽院時代も含め、エイト、舵手なしフォア、シングルスカルといった種目で好成績を残します。1908年にはロンドンオリンピックの男子エイトの英国代表の一人として金メダルを獲得しました。

一方でケリーは幼い頃からピアノ演奏で楽才を示し、イートンでチャールズ・ハーフォード・ロイド (Charles Harford Lloyd, 1849 - 1919) に、オックスフォード大学でドナルド・フランシス・トーヴィー (Donald Francis Tovey, 1875 - 1940) に師事します。1903年から1908年までフランクフルト・アム・マインのホッホ音楽院でエルンスト・エンゲサー (Ernst Engesser) にピアノを、イヴァン・クノル (Iwan Knorr, 1853 - 1916) に作曲と対位法を師事しました。1907年12月に書かれた「牧歌 変イ長調 Op. 4 No. 3」はホッホ音楽院時代の作品ということになりますね。

1908年にイングランドに戻ってから音楽家として活動し、数々の著名な演奏家とも共演しましたが、第一次世界大戦開戦から間もない1914年9月に英国海軍に入隊しました。入隊後にも作曲を続け、「2つのオルガン前奏曲」「弦楽オーケストラのためのエレジー」「ヴァイオリンソナタ ト長調」などの作品を残しています。「エレジー」はケリーと同じ地中海遠征軍に参加したもののガリポリの戦い直前に船中で病死した詩人のルパート・ブルック (Rupert Brooke, 1887 - 1915) の思い出に捧げられています。ヨーロッパ各地の戦闘に従軍したケリーは1916年の今日、フランス北部のボクル=シュル=ランクル (Beaucourt-sur-l'Ancre) で戦死しました。

2016-11-03

Issay Dobrowen - Valse in E minor, Op. 6 No. 2

Issay Dobrowen (Russia, 1891 - 1953) - 2 Valses, Op. 6; No. 2. Valse in E minor

ロシア出身の作曲家・指揮者、イサイ・ドブロヴェン作曲の「2つのワルツ Op. 6」より第2番「ワルツ ホ短調」を弾きました。

ドブロヴェンの曲は「練習曲 嬰ハ短調 Op. 13 No. 6」以来2曲目です。ドブロヴェンの経歴については前回のページも参照してください。

留学先のヴィーンから一年間ほど滞在したパリを経てロシアに戻ったドブロヴェンは、1917年に母校のモスクワ音楽院の教授となります。「2つのワルツ Op. 6」は教授となる前年の1916年に出版され、第1番は同年結婚したマリー・ルペルティ (Marie Ruperti, b. 1896) に、第2番は前年の1915年までモスクワに滞在していた音楽学者・指揮者のオスカル・フォン・リーゼマン (Oskar von Riesemann, 1880 - 1934) に献呈されています。

2016-11-02

100th Death Anniversary of Marie Wieck

Clara Josephine Wieck-Schumann (Germany, 1819 - 1896) - 4 Pièces fugitives, Op. 15 (Dedicated to Marie Wieck (1832 - 1916)); No. 4. Scherzo in G major

今日はドイツの作曲家・ピアノ奏者、マリー・ヴィーク没後100年の命日です。今回は姉のクララ・シューマン作曲「4つの束の間の小品 Op. 15」(マリー・ヴィークに献呈) より第4曲「スケルツォ ト長調」を弾きました。マリー・ヴィークによる作品だと記載された楽譜 (Dresden: L. Hoffarth, 1879) を使用し、マリーの作品と思い込んで演奏しましたが、実際のところは姉のクララの作品だったようです。動画を投稿したところととろお (のべれ助ってん) さんからのご指摘がありました。マリー作曲とした楽譜が出版された1879年はクララも存命であり、なぜこのような形で出版されたのかは不思議なところです。

2016-10-30

100th Death Anniversary of Paul Höfle

Paul Höfle (Germany, 1852 - 1916) - Mazurka No. 1 in C major (1895). Frau N. W. v. Wlassieff gewidmet.

今日はドイツの作曲家・ツィター奏者、パウル・ヘフレ没後100年の命日です。今回はヘフレ作曲「マズルカ 第1番 ハ長調」を弾きました。この曲は1895年に「新音楽新聞 Neue Musik Zeitung 」に「マズルカ 第2番 変イ長調」とともに掲載されたようです。ヘフレはドイツのパーゼヴァルク (Pasewalk) に生まれ、ロシアのヴォーログダで亡くなりました。

100th Death Anniversary of Silas Gamaliel Pratt

Silas Gamaliel Pratt (America, 1846 - 1916) - Meditation religieuse, Op. 42 (A major)

今日は米国の作曲家サイラス・ガマリエル・プラット没後100年の命日です。今回はプラット作曲「宗教的瞑想曲 イ長調 Op. 42」を弾きました。

バーモント州アディソンに生まれたサイラス・ガマリエル・プラットは、1866年から1868年までシカゴで音楽を学び、1868年から1871年までベルリンでフランツ・ベンデル (Franz Bendel, 1833 - 1874) とテオドル・クラク (Theodor Kullak, 1818 - 1882) にピアノを、ハインリヒ・ドルン (Heinrich Dorn, 1804 - 1892) とフリードリヒ・キール (Friedrich Kiel, 1821 - 1885) に作曲を師事します。その後は主にシカゴ、ニューヨーク、ピッツバーグを拠点に指揮者・ピアノ教師としても活動しました。

出典:

  • Baker, Theodore; Remy, Alfred, eds. (1919). “Pratt, Silas Gamalielm”. Baker's Biographical Dictionary of Musicians (3rd edition). New York: G. Schirmer. page 721.
  • 2016-10-25

    150th Birth Anniversary of Georg Schumann

    Georg Schumann (Germany, 1866 - 1952) - Durch Dur und Moll. 24 Stücke für Klavier, Op. 61; No. 13. Süßes Erinnern. Duett. Ruhug bewegt und sehr zart. Allegretto (F sharp major)

    今日はドイツの作曲家・ピアノ奏者・音楽教師、ゲオルク・シューマン生誕150年の誕生日です。今回はシューマン作曲「長調と短調をめぐって、ピアノのための24の小品 Op. 61」より第13曲「甘い思い出、デュエット」を弾きました。

    ゲオルク・シューマンは1877年から1881年までドレスデンでカール・アウグスト・フィッシャー (Carl August Fischer, 1828-1892)、ベルンハルト・ロルフス (Bernhard Rollfuss, 1837-1904)、フリードリヒ・バウムフェルダー (Friedrich Baumfelder, 1836-1916) に、次いで1888年までライプツィヒ音楽院でカール・ライネッケ (Carl Reinecke, 1824-1910)、ザーロモン・ヤーダスゾーン (Salomon Jadassohn, 1831-1902)、ブルーノ・ツヴィンチャー (Bruno Zwintscher, 1838-1905) に師事しました。1907年からベルリンのプロイセン芸術アカデミー (Preußische Akademie der Künste) の音楽教師として、パンチョ・ヴラディゲロフ (Pancho Vladigerov, 1899-1978)、信時潔 (Nobutoki Kiyoshi, 1887-1965)、箕作秋吉 (1895-1971) といった音楽家を指導しました。日本では信時や箕作の師としてゲオルク・シューマンの名を知っている人も多いでしょう。

    出典: Baker, Theodore and Remy, Alfred, ed. (1919). “Schumann, Georg (Alfred)”. Baker's Biographical Dictionary of Musicians (3rd edition). New York: G. Schirmer. page 850.

    2016-10-23

    150th Birth Anniversary of Leonid Lisovsky

    Leonid Leonidovich Lisovsky (Russia, 1866 - 1934) - Album de pièces pour piano; No. 1. Feuille d'album (F minor)

    今日はロシア出身のウクライナの作曲家レオニート・リソーフスキー生誕150年の誕生日です。今回はリソーフスキー作曲「小品のアルバム」より第1曲「アルバムの綴り ヘ短調」を弾きました。

    ペテルブルクに生まれたレオニート・リソーフスキーは、ハルキウ大学で歴史言語学を専攻しながらイリヤー・スラチーン (Ilya Slatin, 1845 - 1931) にピアノを師事しました。ハルキウ大学を卒業後、1907年までペテルブルク音楽院でニコライ・ソロヴョーフ (Nikolay Solovyov, 1846 - 1916) に作曲を、フランツ・チェルニー (Franz Czerny, 1830 - 1900) にピアノを師事し、音楽院卒業後はポルタヴァ、ティフリス (トビリシ)、ハルキウなどで音楽教師をしています。

    2016-10-20

    150th Birth Anniversary of George Aitken

    George Benjamin Johnston Aitken (1866 - 1942) - Memories, Op. 22; No. 1. Canzonet. Allegretto (A flat major)

    今日はイングランドの作曲家・オルガン奏者・ピアノ奏者、ジョージ・エイトケン生誕150年の誕生日です。今回はエイトケン作曲「思い出 Op. 22」より第1曲「カンツォネット 変イ長調」を弾きました。

    「思い出」は3曲からなりそれぞれに題辞が置かれています。カンツォネットの題辞はシェイクスピアの戯曲「冬物語」第4幕第4場の道化 (Clown) の台詞です。

    What hast here? ballads?
    I love a ballad but even too well;
    if it be doleful matter, merrily set down,
    or a very pleasant thing indeed, and sung lamentably.
    "Winter's Tale"

    2016-10-16

    150th Birth Anniversary of Elise Wiel

    Elise Wiel (Norway, 1866 - 1926) - 5 Små Klaverstykker, Op. 2; 3. Romance. Moderato (E flat major)

    今日はノルウェーの作曲家エリース・ヴィール生誕150年の誕生日です。今回はヴィール作曲「5つのピアノ小品 Op. 2」より第3曲「ロマンス 変ホ長調」を弾きました。

    2016-10-10

    150th Birth Anniversary of Karl von Kaskel

    Karl Simon Emil Israel von Kaskel (Germany, 1866 - 1943) - 4 Klavierstücke, Op. 5; No. 3. Andantino in D flat major

    今日はドイツの作曲家カール・フォン・カスケル生誕150年の誕生日です。今回はカスケル作曲「4つのピアノ小品 Op. 5」より第3曲 変ニ長調を弾きました。

    カスケル家はユダヤ人の一族で、バンクハウス・カスケル設立者の高祖父から父までのヤーコプ (1742-1788)、ミヒャエル (1775-1845)、カール (1797-1874)、フェーリクス (1833-1894) は代々個人銀行家でした。祖父のカール・フォン・カスケル (Michael Ernst Karl von Kaskel) は音楽を嗜み、ジャコモ・マイアベーアやカール・マリア・フォン・ヴェーバーといった同時代の音楽家との親交も知られています。バンクハウス・カスケルは1872年にドレスナー銀行となりました。

    カール・フォン・カスケルは初めライプツィヒで法律を学んでいましたが、音楽の道に転向してライプツィヒ音楽院でザーロモン・ヤーダスゾーン (Salomon Jadassohn) とカール・ライネッケ (Carl Reinecke) に、次いでケルンでフランツ・ヴュルナー (Franz Wüllner) に師事しました。生地のドレスデンで活動したあと1930年代にミュンヘンに移りましたが、ユダヤ人迫害が激しくなるとベルリンで隠れ住むようになり、そのまま同地で亡くなりました。

    2016-10-04

    100th Death Anniversary of Max Battke

    Max Battke (Germany, 1863 - 1916) - Märchen in E minor, Op. 11 No. 3

    今日はドイツの作曲家・音楽教師、マックス・バトケ没後100年の命日です。今回はバトケ作曲「メルヘン ホ短調 Op. 11 No. 3」を弾きました。この曲は1902年に「新音楽新聞 Neue Musik Zeitung 」に掲載されています。

    東プロイセンのシフス (Schiffuß, 現ポーランド領シヴォシェヴォ Siwoszewo) に生まれたマックス・バトケは、ケーニヒスベルクで、マックス・エステン (Max Oesten, 1843 - 1917) に師事し、次いで、ベルリンの王立高等音楽学校で学びます。シュテルン音楽院などのベルリンの音楽学校で教師として活動し、1900年には音楽ゼミナール (Seminar für Musik, 1910年に学校歌唱ゼミナール Seminar für Schulgesang と改称) の設立にも関わります。1897年に著作家のアーダ・ツィンメルマン (Ada Battke, geb. Zimmermann, b. 1879) と結婚し、二男のハインツ (Heinz Battke, 1900 - 1966) はのちに画家となっています。1916年10月4日にマックス・バトケはベルリンで亡くなりましたが、翌1917年には長男のフリッツ (Fritz Battke, 1898 - 1917) も第一次世界大戦のために亡くなりました。

    生地のシヴォシェヴォはロシア・カリーニングラード州との国境の街であり、プロイセン時代のシフスが含まれていたヴァントラケン郡 (Amtsbezirk Wandlacken) の中心都市ヴァントラケンは、現在ではロシア領のズヴェーレヴォ (Зверево) となりました。

    出典: Baker, Theodore, Baker's Biographical Dictionary of Musicians, 4th edition, 1940, page 68.

    2016-09-15

    200th Birth Anniversary of Édouard Wolff

    Édouard Wolff (Poland, 1816 - 1880) - Barcarolle et Chansonnette, pensées mignonnes, Op. 331
    No. 1. Barcarolle. Andantino (A flat major)

    No. 2. Chansonnette. Vivace (G major)

    今日はポーランド出身のフランスの作曲家・ピアノ奏者、エドゥアール・ヴォルフ生誕200年の誕生日です。今回はヴォルフ作曲「舟歌とシャンソネット、愛らしい思考 Op. 331」を弾きました。ヴォルフの最晩年に出版されたこの2曲の小品は、弟子の女性 Mademoiselle Marie Cretzulesco に献呈されています。

    エドゥアール・ヴォルフの姉レギナ (Regina) もピアノ奏者であり、レギナの子のうちヘンリク・ヴィエニャフスキユゼフ・ヴィエニャフスキは優れた音楽家となりました。作曲家・ピアノ奏者のユゼフ・ヴィエニャフスキについては没後100年の際に演奏動画を投稿したのでここでまた紹介します (100th Death Anniversary of Józef Wieniawski)。

    2016-09-11

    100th Death Anniversary of Friedrich Gernsheim

    Friedrich Gernsheim (Germany, 1839 - 1916) - Stimmungsbilder, Op. 36; No. 2. Andandte espressivo (G major)

    今日はドイツの作曲家・指揮者・ピアノ奏者、フリードリヒ・ゲルンスハイム没後100年の命日です。今回はゲルンスハイム作曲「情景画集、4つのピアノ小品 Op. 36」より第2曲 ト長調を弾きました。

    150th Birth Anniversary of Aleksandr Schaefer

    Sergey Vasilyevich Rachmaninoff (Сергей Васильевич Рахманинов, Russia, 1873 - 1943) / Aleksandr Nikolayevich Schaefer (Александр Николаевич Шефер, Russia, 1866 - 1914) - 6 Romances, Op. 4; No. 1. Oh nein, ich fleh, geh nicht von mir! (О, нет, молю, не уходи!)

    今日はロシアの作曲家アレクサンドル・シェーフェル (アレクサンダー・シェーファー) 生誕150年の誕生日です。今回はセルゲイ・ラフマニノフ作曲の「6つの歌曲 Op. 4」より第1曲「いや、お願いだ、行かないで!」のシェーフェルによるピアノ独奏編曲を弾きました。

    ペテルブルクに生まれたアレクサンドル・シェーフェルは、1886年にペテルブルク音楽院を卒業し、音楽教師、指揮者としても活動しました。作曲家としてはオペラ、バレエ音楽、管弦楽曲、室内楽曲、ピアノ曲、歌曲といったジャンルに作品を残しています。

    1890年から1893年にかけて書かれたラフマニノフの歌曲集 Op. 4 は、それぞれ別々の人物の詩を用い、またそれぞれ別々の人物に献呈されています。「いや、お願いだ、行かないで」(1892年作曲) はドミ-トリー・メレシコーフスキー (Дмитрий Сергеевич Мережковский ; Dmitry Sergeyevich Merezhkovsky, 1866 - 1941) の詩による歌曲で、ロマ (ジプシー) を出自とする女性アンナ・アレクサンドロヴナ・ロディジェンスカヤ (Анна Александровна Лодыженская ; Anna Aleksandrovna Lodyzhenskaya) に献呈されています。

    1895年にラフマニノフが作曲した「交響曲第1番 ニ短調 Op. 13」の献辞に書かれたイニシャル 'А. Л.' はこのアンナ・ロディジェンスカヤのこととされています。その前年の1894年に作曲した「ジプシーの主題による奇想曲 Op. 12」はアンナの夫である作曲家ピョートル・ヴィクトロヴィチ・ロディジェンスキー (Пётр Викторович Лодыженский ; Pyotr Viktorovich Lodyzhensky) に献呈されています。具体的な関係は不明ですが、ラフマニノフはこのロディジェンスカヤ夫人に特別な好意を寄せていたようです。

    出典: マックス・ハリソン 著, 森松 晧子 訳「ラフマニノフ 生涯、作品、録音」(音楽之友社, 2016), pp. 68, 78, 79.

    2016-07-25

    150th Death Anniversary of Aloys Schmitt

    Aloys Schmitt (Germany, 1788 - 1866) - Introduction and Fugue, Op. 16 Part 3 Nos. 10 and 11

    今日はドイツの作曲家・ピアノ奏者、アロイス・シュミット没後150年の命日です。今回はシュミット作曲「練習曲集 Op. 16」第3巻より第10、11曲「序奏とフーガ ハ短調」を弾きました。「練習曲集 Op. 16」は第1巻のうちの213曲ある予備訓練課題 (Exercices préparatifs ; Preparatory Exercises) が特に知られているようです。

    エアレンバッハ・アム・マインに生まれたアロイス・シュミットは、カントルであった父フランツ・バルトロメウス・シュミット (Franz Bartholomäus Schmitt) に学び、オッフェンバッハ・アム・マインヨハン・アントン・アンドレ (Johann Anton André, 1775 - 1842) とゲオルク・ヤーコプ・フォルヴァイラー (Georg Jacob Vollweiler, 1770 - 1847) に作曲を師事しました。その後、主にフランクフルト・アム・マインを拠点に活動しています。教え子にはカール・アーノルド (Carl Arnold, 1794 - 1873)、フェルディナント・ヒラー (Ferdinand Hiller, 1811 - 1885)、リンジー・スローパー (Lindsay Sloper, 1826 - 1887) などがいます。

    アロイスの弟ヤーコプ (Jacob Schmitt, 1803 - 1853)、子ゲオルク・アロイス (Georg Aloys Schmitt, 1827 - 1902) もまた作曲家となっています。またアロイスの娘アントニア (Antonia Schmitt, 1824 - 1859) はピアノ奏者となり、地質学者・博物学者のユリウス・フォン・ハースト (Julius von Haast, 1822 - 1887) と結婚しました。

    2016-07-17

    150th Birth Anniversary of Karl Kock

    Karl Kock (born 1866) - Melancholie f-Moll. Nicht zu langsam.

    今日はドイツの作曲家カール・コック生誕150年の誕生日です。1866年7月17日にハンブルク近郊のアルトナに生まれたということですが、その日は普墺戦争開戦から一月ほどたったころであり、ホルシュタインからオーストリア軍を撤退させたプロイセンが占領したばかりの地でした。翌1867年にはアルトナを含むホルシュタインはプロイセンに併合されます。

    今回はコック作曲「憂鬱 ヘ短調」を弾きました。この曲は友人の著作家オットー・ミヒャエリ (Otto Michaeli, 1870 - 1941) に献呈され、1892年に「新音楽新聞 Neue Musik Zeitung 」に掲載されました。

    2016-07-16

    200th Birth Anniversary of Antoine François Marmontel

    Antoine François Marmontel (France, 1816 - 1898) - L'art de déchiffrer à deux mains, 100 etudes élémentaires et progressives de lecture musicale, destinées à développer le sentiment de la mesure, de la mélodie et de l'harmonie, Op. 60
    No. 52. Syncopes noires et croches, mesure à 2/4 [Syncopations of crotchets and quavers, 2/4 time]. Andantino (E minor). Il faut, tout eu jouant avec douceur, marquer légèrement la première partie de la syncope qui déplace l'accent et rend fort un temps faible.

    No. 90. Les soupirs, demi-soupirs et quarts de soupirs [Crotchet rests, quaver rests and semiquaver rests]. Allegretto (C sharp minor). Indépendamment du caractère mélodique qu'il faut faire ressortir, les doigt ne devront pas perdre un seul instant le sentiment précis de la mesure en donnant à chaque silence sa valeur réelle.

    今日はフランスの作曲家・ピアノ奏者、アントワーヌ・フランソワ・マルモンテル生誕200年の誕生日です ( MusicSack によると誕生日は資料によりばらつきがあり、7月16日、17日、18日のいずれかのようです)。今回はマルモンテル作曲「2手での初見演奏の技法、100の小さな読譜の練習曲 Op. 60」より第52番「4分音符と8分音符のシンコペーション、4分の2拍子 ホ短調」と第90番「4分休符と8分休符と16分休符 嬰ハ短調」を弾きました。この曲集には続編として「4手での初見演奏の技法 L'art de déchiffrer à quatre mains, 50 études mélodiques et rhythmiques de lecture musicale, Op. 111」があります。

    著作家のジャン・フランソワ・マルモンテル (Jean-François Marmontel, 1723 - 1799) はアントワーヌの大伯父 (同名の祖父アントワーヌ・フランソワの兄) にあたります。アントワーヌの子アントナン・マルモンテル (Antonin Marmontel, 1850 - 1907) は父と同様、作曲家・ピアノ奏者・パリ音楽院教授となりました。イニシャル表記 A. Marmontel では区別が難しいことがあるので注意が必要ですね。

    2016-06-25

    250th Birth Anniversary of Samuel Wesley

    Samuel Wesley (England, 1766 - 1837) - Fugue for the Piano forte in D major. Moderato (1828)

    今年はイングランドの作曲家・オルガン奏者、サミュエル・ウェスリーの生誕250年です。今回はウェスリー作曲「フーガ ニ長調」を弾きました。

    楽譜は The London pianoforte school 1766-1860 : Clementi, Dussek, Cramer, Field, Pinto, Sterdale Bennett, and other masters of the pianoforte : a Garland series / general editor, Nicholas Temperley; v. 7. Works for pianoforte solo by late Georgian composers : published from 1766 to 1829 (Garland, 1985, pp. 135-140) を使用しました。オルガン奏者として知られるだけあって鍵盤曲のなかでは主にオルガン曲が演奏されていますが、この曲集にはウェスリー作曲のピアノのためのソナタやロンドがいくつか含まれています。

    2016-06-23

    250th Death Anniversary of Thomas Roseingrave

    Thomas Roseingrave (England/Ireland, 1688 - 1766) - 8 Suits of Lessons for the Harpsichord or Spinnet (1728); Suite No. 5 in F minor; V. Gavotte. Presto

    今日はイングランド出身のアイルランドの作曲家・オルガン奏者、トマス・ロージングレイヴ没後250年の命日です。今回は、ロージングレイヴ作曲「ハープシコードまたはスピネットのための8つのレッスン組曲」の「組曲第5番 ヘ短調」より第5楽章「ガヴォット」を弾きました。

    2016-05-31

    150th Birth Anniversary of Vladimir Rebikov

    Vladimir Ivanovich Rebikov (Владимир Иванович Ребиков, Russia, 1866 - 1920) - Rêveries d'automne, album de Miniatures, Op. 8
    No. 1. Chanson Triste ; Грустная песенка (E minor)

    No. 3. Moment triste ; Грустная минута (D minor)

    今日はロシアの作曲家・ピアノ奏者、ヴラディーミル・レービコフ生誕150年の誕生日です。今回はレービコフ作曲「秋の夢、ミニアチュールのアルバム Op. 8」より第1曲「悲しい歌 ホ短調」と第3曲「悲しい時 ニ短調」を弾きました。献辞はそれぞれ「P.チャイコフスキーの思い出に」、「V.カサトキナ=ロストフスカヤ公女の思い出に」となっています。

    2016-05-29

    Semyon Barmotin - Babushka, Op. 9 No. 3

    Semyon Alexeyevich Barmotin ; Семëн Алексеевич Бармотин (Russia, born 1877) - Tableaux de la vie enfantine pour piano ; Картинки из детской жизни для фортепиано, Op. 9; No. 3. La grand-mère ; Бабушка (B minor)

    ロシアの作曲家セミョーン・バルモーチン作曲「子供の生活の絵画集 Op. 9」より第3曲「おばあさん (バーブシカ)」ロ短調を弾きました。この曲集は22の小品からなり、献辞は「我が母の思い出に」となっています。

    セミョーン・バルモーチンはサンクトペテルブルクに生まれ、1899年から1901年まで宮廷礼拝堂でミリイ・バラキレフに、次いでサンクトペテルブルク音楽院ニコライ・リムスキー=コルサコフに作曲を師事しました。音楽教師としては、1901年から宮廷礼拝堂で、次いでヘルソーンの音楽学校で、1923年から1925年までペトログラード音楽院 (サンクトペテルブルク音楽院の旧称) で音楽理論を教えました。

    出典: Музыкальная энциклопедия

    2016-05-28

    100th Death Anniversary of Albert Lavignac

    Albert Lavignac (France, 1846 - 1916) - 3 Pièces caractéristiques (Feuillets d'album) pour piano, Op. 10; No. 1. Prélude (imité de Mendelssohn) (C sharp minor)

    今日はフランスの作曲家アルベール・ラヴィニャック没後100年の命日です。ラヴィニャックといえば「8手連弾のためのギャロ・マルシュ (ギャロップ・マーチ)」(Galop-marche à huit mains sur un seul piano) がよく知られていますね。

    今回はラヴィニャック作曲「3つの性格的小品、アルバムの綴り Op. 10」より第1曲「メンデルスゾーンの模倣による前奏曲 嬰ハ短調」を弾きました。「3つの性格的小品」はこのあと「ショパンの模倣による夜想曲 変ニ長調」、「ステファン・ヘラーの模倣によるスケルツェット ニ長調」と続き、それぞれ友人カミーユ・サンサーンス (Camille Saint-Saëns, 1835 - 1921)、友人フランシス・プランテ (Francis Planté, 1839 - 1934)、ステファン・ヘラー (Stephen Heller, 1813 - 1888) 氏に献呈されています。

    2016-05-25

    200th Death Anniversary of Samuel Webbe

    Samuel Webbe Sr. (1740 - 1816) / Ernst Pauer (Austria, 1826-1905) - Salve Regina in E flat major

    今日はイングランドの作曲家サミュエル・ウェッブ1世没後200年の命日です。今回はウェッブ作曲「サルヴェ・レジーナ 変ホ長調」(A Collection of Sacred Music As used in the Chapel of the King of Sardinia in London, p. 73) のピアノ独奏編曲を弾きました。エルンスト・パウアーの編曲・校訂によるピアノ曲集「日曜日の音楽」 (Sonntagsmusik) に収録されています。

    2016-05-19

    400th Birth Anniversary of Johann Jakob Froberger

    Johann Jakob Froberger (Germany, 1616 - 1667) -
    Partita (Suite) in D minor, FbWV 602; III. Sarabanda

    Partita (Suite) in D major, FbWV 611; IV. Sarabanda

    今日はドイツの作曲家・鍵盤楽器奏者、ヨハン・ヤーコプ・フローベルガー生誕400年の受洗日です。今回はフローベルガー作曲「パルティータ ニ短調 FbWV 602」と「パルティータ ニ長調 FbWV 611」のそれぞれのサラバンドを弾きました。楽譜はヴァルター・ニーマン (Walter Niemann, 1876 - 1953) による校訂譜「クラヴィーア演奏の古典の巨匠」(Alte Meister des Klavierspiels) 第2巻に含まれる「2つのサラバンド」を使用しました。

    2016-05-11

    100th Death Anniversary of Max Reger

    Max Reger (Germany, 1873 - 1916) - Kanons durch alle Dur- und Molltonarten (1895), Heft I. Zweistimmig

    今日はドイツの作曲家・ピアノ奏者・オルガン奏者、マックス・レーガー没後100年の命日です。今回はレーガー作曲「全長短調をめぐるカノン集」の第1巻「2声」より第1曲、第28曲、第29曲、第46曲を弾きました。「全長短調をめぐるカノン集」は第1巻「2声」63曲、第2巻「3声」50曲 (48番) の全113曲からなり、よく知られた旋律を使ったものもいくつかあります。今回弾いたのはそのうちの4曲です。

    Nr. 1. Kanon in der Oktave im Abstande von 2 Vierteln, C-Dur. Allegretto. [1st movement of the Sonatina in C major, Op. 36 No. 1 by Muzio Clementi (1752 - 1832)]

    第1曲 ハ長調はムツィオ・クレメンティ作曲「ソナチネ ハ長調 Op. 36 No. 1」第1楽章の主題によるオクターヴのカノンです。

    Nr. 28. Kanon auf der Untersexte im Abstande eines Taktes, es-Moll. Moderato. [3rd movement (Marche funèbre) of the Piano Sonata No. 2 in B flat minor, Op. 35 by Frédéric Chopin (1810 - 1849)]

    第28曲 変ホ短調はフレデリック・ショパン作曲「ピアノソナタ 変ロ短調 Op. 35」第3楽章「葬送行進曲」の主題による6度のカノンです。

    Nr. 29. Kanon auf der Unterseptime im Abstande von eineinhalb Takten, E-Dur. Scherzando. [Kuckuck, Kuckuck, ruft’s aus dem Wald]

    第29曲イ長調はドイツ民謡「かっこう」による7度のカノンです。

    Nr. 46. Kanon in der Oktave im Abstande von zwei Takten, Des-Dur. Allegro vivace. [God Save the Queen by Henry Carey (1687 - 1743)]

    第46曲 変ニ長調は英国国歌「女王陛下万歳」によるオクターヴのカノンです。

    100th Death Anniversary of Christian Cappelen

    Christian Cappelen (Norway, 1845 - 1916) - Romance, Elegie og Humoreske, Op. 22; No. 2. Elegie. Andante. (G minor)

    今日はノルウェーの作曲家・オルガン奏者、クリスティアン・カッペレン没後100年の命日です。今回はカッペレン作曲「ロマンス、エレジーとフモレスケ Op. 22」より第2曲「エレジー ト短調」を弾きました。この小品集 Op. 22 は作曲家・オルガン奏者のオーレ・オルセン (Ole Olsen, 1850 - 1927) に献呈されています。

    2016-05-05

    100th Death Anniversary of Graham Ponsonby Moore

    Graham Ponsonby Moore (Australia, 1859 - 1916) - 6 Lyric Pieces, Op. 48; No. 1. Shepherd's Song. Andantino (A minor)

    今日はオーストラリア出身の英国の作曲家・ピアノ奏者、グレイアム・ポンソンビー・ムーア没後100年の命日です。今回はムーア作曲「6つの抒情小品 Op. 48」より第1曲「羊飼いの歌 イ短調」を弾きました。「6つの抒情小品」の残りの曲は「田舎の歌」、「小ロマンス」、「小ワルツ」、「夢」、「バガテル」となっています。

    グレイアム・ポンソンビー・ムーアはオーストラリアのバララットに生まれ、ベルリンの新音楽アカデミー (Neue Akademie der Tonkunst) で創設者のテオドール・クラクに、次いでフランツ・クサヴァー・シャルヴェンカモーリッツ・モシュコフスキにピアノを師事しました。のちにロンドンを活動拠点とし、王立音楽大学の教授、英国王立音楽検定 (ABRSM ; The Associated Board of the Royal Schools of Music) の審査員を務めています。作曲家としては主にピアノ曲を残しています。

    出典: Baker, Theodore: Baker's Biographical Dictionary of Musicians, 3rd Edition, 1919, page 621

    2016-04-29

    150th Birth Anniversary of Ferruccio Busoni

    Ferruccio Busoni (Italy, 1866 - 1924) - 3 Pezzi nello stile antico, Op. 10, BV 159 (1880); No. 3. Gigue. Allegro vivace (C minor)

    今年はイタリア出身の作曲家・ピアノ奏者、フェルッチョ・ブゾーニ生誕150年です。今回はブゾーニ作曲「古い様式による3つのピアノ小品 Op. 10, BV 159」より第3曲「ジグ ハ短調」を弾きました。ブゾーニには同じ作品番号が複数の作品についている例がいくつもあり、 Op. 10 もいくつかの異なる作品 (BV 12, 72, 81/5, 88, 126/4, 159) につけられているので注意が必要です。

    「古い様式による3つのピアノ小品」は1880年7月までに作曲され、このときブゾーニは14歳でした。同時期には「古い舞曲集 Op. 11, BV 126」「24の前奏曲 Op. 37, BV 181」「村の祭り、6つの性格的小品 Op. 9, BV 185」などが書かれています。曲集は「メヌエット ハ長調 (Op. 40)」、単一楽章の「ソナティナ ト長調 (Op. 46)」、そしてこの「ジグ ハ短調 (Op. 75 (Op. 44))」からなり、それぞれ作曲家の Ernesto Colombani (1854 - 1921), G. Gaiani, Alessandro Busi (1833 - 1895) に献呈されています。「ジグ ハ短調」を献呈されたアレッサンドロ・ブージはチェロ奏者でもあり、教育者としてはボローニャ音楽学校の和声法教師、対位法教授を歴任しています。

    2016-04-18

    200th Death Anniversary of Johann Paul Schulthesius

    Johann Paul Schulthesius (Germany, 1748 - 1816) - Sonata a Solo per il Cimbalo a Pianoforte, Opera II (A major); III. Andantino. Grazioso

    今日はドイツ出身のイタリアの作曲家・ピアノ奏者・神学者、ヨハン・パウル・シュルテジウス没後200年です。今回はシュルテジウス作曲「チェンバロまたはピアノのための独奏ソナタ イ長調 Op. 2」より第3楽章 アンダンティーノを弾きました。

    祖父ヨハン・ハインリヒ・シュルテジウス、父ヨハン・ニコラウス・シュルテジウスともにオルガン奏者という、代々続く音楽家の家庭のもと、フェヒハイム (Fechheim, 現在のバイエルン州ノイシュタット・バイ・コーブルク) に生まれたヨハン・パウル・シュルテジウスは、エアランゲン大学 (現在のフリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルク) で神学を学びつつ、ヨハン・バルタザール・ケール (Johann Balthasar Kehl, 1725 - 1778) のもとでオルガンを学びました。1773年にトスカーナ大公国リヴォルノに移住し、以後同地でルター派牧師・音楽家として活動しています。

    2016-04-13

    200th Birth Anniversary of William Sterndale Bennett

    William Sterndale Bennett (England, 1816 - 1875) - Praeludium in B flat major for Piano, WoO 60 (1863)

    今日はイングランドの作曲家ウィリアム・スターンデイル・ベネット生誕200年の誕生日です。今回はベネット作曲「前奏曲 変ロ長調 WoO 60」を弾きました。楽譜は "The London pianoforte school 1766-1860 : Clementi, Dussek, Cramer, Field, Pinto, Sterndale Bennett, and other masters of the pianoforte. Volume 18: Works for pianoforte solo II by William Sterndale Bennett" (New York: Garland Publishing Co., 1984) に収録されています。

    ベネットについては以前、「性格的練習曲 熱情 L'Appassionata, Op. 29/2」の演奏動画を投稿したのでここで紹介しておきます。

    2016-04-12

    300th Birth Anniversary of Felice Giardini

    Felice Giardini (Italy, 1716 - 1796) - String Trio in E-flat major, Op. 17 No. 1; II. Siciliana. Adagio (A-flat major) (from 101 Classics, The World's Most Famous Piano Solos, edited by Ralph Dunstan)

    今日はイタリアの作曲家・ヴァイオリン奏者、フェリーチェ・ジャルディーニ生誕300年の誕生日です。今回はジャルディーニ作曲「ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための6つの三重奏曲 Op. 17」第1番 変ホ長調 より 第2楽章 シチリアーナ 変イ長調 のピアノ独奏編曲を弾きました。

    2016-03-24

    100th Death Anniversary of Rudolf Haase

    Rudolf Haase (1841 - 1916) - Frühlingsblumen, 4 Charakterstücke für Pianoforte, Op. 14; Nr. 3. Schlüsselblume

    今日はドイツの作曲家・オルガン奏者、ルドルフ・ハーゼ没後100年の命日です。今回はハーゼ作曲「春の花、4つの性格的小品 Op. 14」より第3曲「プリムラ (サクラソウ)」を弾きました。「春の花」は4曲からなるピアノ小品集で、ほかに「スノードロップ (マツユキソウ)」、「初めてのスミレ」、「アネモネ」があります。楽譜の表紙 (下図) は4種の花の絵で縁取られています。

    ハーゼはザクセン=アンハルト州ケーテンに生まれ、ライプツィヒモーリッツ・ハウプトマン (Moritz Hauptmann, 1792 - 1868)、イグナーツ・モシェレス (Ignaz Moscheles, 1794 - 1870)、エドゥアルト・ベルンスドルフ (Eduard Bernsdorf, 1825 - 1901) に師事しました。1867年には生地のケーテンで音楽教師・教会オルガン奏者となり、同地で没しています。

    出典: International who's who in music and musical gazetteer (New York: The Current Literature Publishing Company, 1918), page 248.

    2016-03-23

    100th Death Anniversary of Alfred Schüz

    Alfred Schüz (Germany, 1845 - 1916) - Ägyptisches Motiv (Neue Musik-Zeitung, 1902)

    今日はドイツの作曲家・音楽著述家であるアルフレート・シュッツ没後100年の命日です。今回はシュッツ作曲「エジプトのモティーフ」を弾きました。この曲の楽譜は1902年に「新音楽新聞 Neue Musik Zeitung 」に掲載されました。

    ヴュルテンベルク州立図書館シュトゥットガルト (Württembergische Landesbibliothek Stuttgart) によると、シュッツはテュービンゲンに生まれ、シュトゥットガルトのバート・カンシュタット (Bad Cannstatt) で亡くなったということです。IMSLP には1892年から1903年にかけて「新音楽新聞」に掲載されたピアノ小品がこの曲を含めて4曲あります。

    2016-02-14

    100th Death Anniversary of Andrey Shcherbachyov

    Andrey Vladimirovich Shcherbachyov (Андрей Владимирович Щербачёв, Ukraine, 1869 - 1916) - 6 Miniatures pour piano, Op. 5; No. 6. Tempo di valzer ma non troppo (G major)

    今日はウクライナの作曲家アンドレーイ・シチェルバチョーフ (アンドレイ・シチェルバチョフ) 没後100年の命日です。今回はシチェルバチョーフ作曲「6つのミニアチュール Op. 5」より第6番ト長調を弾きました。速度標語にもあるとおり、ワルツの様式で書かれた曲です。

    シチェルバチョーフはマヌイロヴォ (Мануйлово, 現在のポルタヴァ州クレメンチューク地区の街) に生まれ、ポルタヴァでニコライ・フリスチアノーヴィチ (Николай Филиппович Христианович, 1828 - 1890) にピアノを師事。1887年から1889年にかけて、ペテルブルク音楽院でフェリクス・ブルメンフェリトにピアノを、アナトーリー・リャードフニコライ・リムスキー=コルサコフに音楽理論を師事しました。1889年にペテルブルク大学に進学したのち、1903年から官吏として財務省などに勤め、現任発事官 (Действительный статский советник) に昇格します。同姓の作曲家であるニコライ・シチェルバチョーフ、ヴラディーミル・シチェルバチョーフの2人とは遠縁にあたるといいます。

    出典: Музыкальная энциклопедия (1973 - 1982)