2016-11-13

100th Death Anniversary of Frederick Septimus Kelly

Frederick Septimus Kelly (Australia/England, 1881 - 1916) - A Cycle of Lyrics for the Pianoforte, Op. 4; No. 3. Idyl. Andante (A flat major)

今日はオーストラリア出身のイングランドのボート選手・作曲家・ピアノ奏者、フレデリック・セプティマス・ケリー没後100年の命日です。今回はケリー作曲「ピアノのための連作抒情詩 Op. 4」より第3曲「牧歌 変イ長調」を弾きました。

アイルランド出身の羊毛仲買人トーマス・ハシー・ケリーの子としてシドニーに生まれたフレデリック・セプティマス・ケリーは、イングランドのイートン・カレッジオックスフォード大学ベリオール・カレッジでボート選手として活躍し、進学先のホッホ音楽院時代も含め、エイト、舵手なしフォア、シングルスカルといった種目で好成績を残します。1908年にはロンドンオリンピックの男子エイトの英国代表の一人として金メダルを獲得しました。

一方でケリーは幼い頃からピアノ演奏で楽才を示し、イートンでチャールズ・ハーフォード・ロイド (Charles Harford Lloyd, 1849 - 1919) に、オックスフォード大学でドナルド・フランシス・トーヴィー (Donald Francis Tovey, 1875 - 1940) に師事します。1903年から1908年までフランクフルト・アム・マインのホッホ音楽院でエルンスト・エンゲサー (Ernst Engesser) にピアノを、イヴァン・クノル (Iwan Knorr, 1853 - 1916) に作曲と対位法を師事しました。1907年12月に書かれた「牧歌 変イ長調 Op. 4 No. 3」はホッホ音楽院時代の作品ということになりますね。

1908年にイングランドに戻ってから音楽家として活動し、数々の著名な演奏家とも共演しましたが、第一次世界大戦開戦から間もない1914年9月に英国海軍に入隊しました。入隊後にも作曲を続け、「2つのオルガン前奏曲」「弦楽オーケストラのためのエレジー」「ヴァイオリンソナタ ト長調」などの作品を残しています。「エレジー」はケリーと同じ地中海遠征軍に参加したもののガリポリの戦い直前に船中で病死した詩人のルパート・ブルック (Rupert Brooke, 1887 - 1915) の思い出に捧げられています。ヨーロッパ各地の戦闘に従軍したケリーは1916年の今日、フランス北部のボクル=シュル=ランクル (Beaucourt-sur-l'Ancre) で戦死しました。

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