2022-10-30

100th Death Anniversary of Moritz Vogel

Moritz Vogel (Poland/Germany, 1846 - 1922) - Kinderleben. 12 Kleine Tonstücke zur Erheiterung für die Klavierspielende Jugend, Op. 26 (Dresden: F. Ries, 1876). Seinem ehemaligen Lehrer Herrn Friedrich Schwarzer in Dankbarkeit zugeeignet; No. 11. Sonntagsmorgen im Walde. Ruhig (F major).

今日はシュレージエン出身のドイツの作曲家・ピアノ奏者・合唱指揮者・音楽教師・音楽批評家、モーリッツ・フォーゲル没後100年の命日です。今回はフォーゲル作曲「子供の生活、ピアノを弾く若者の気晴らしのための12の小品 Op. 26」より第11曲「森での日曜日の朝 ヘ長調」を弾きました。曲集はフォーゲルの師とされるフリードリヒ・シュヴァルツァー (Friedrich Schwarzer) に献呈されています。

モーリッツ・フォーゲルは1846年7月9日にプロイセン王国シュレージエン州ヴァルデンブルク郡ゾルガウ (Sorgau. 現在のポーランド領ドルヌィ・シロンスク県ヴァウブジフ市シュチャヴィエンコ地区 Szczawienko) に生まれました。ザクセン王国ライプツィヒ音楽院 (Conservatorium der Musik) で学び、同地で音楽教師・音楽批評家・合唱指揮者として名声を得ました。作曲家としては、12部からなるメソッド、ロンド、ソナチネ、練習曲などの多くの教育的作品を含むピアノ曲のほか、独唱、二重唱のための歌曲、オルガン曲を書きました。1922年10月30日にライプツィヒで亡くなりました。

出典:

  • Baker, Theodore; Remy, Alfred, eds. (1919). “Vogel, (Wilhelm) Moritz”. Baker's Biographical Dictionary of Musicians (3rd edition). New York: G. Schirmer. page 988.
  • Wier, Albert Ernst (1938). “Vogel, Wilhelm Moritz”. The MacMillan Encyclopedia of Music and Musicians in One Volume. New York: The MacMillan Company. page 1951.

2022-10-13

100th Death Anniversary of Ezra Read

Ezra Read (England, 1862 - 1922) - The Japanese Polka in F major (Playtime Melodies, No. 3126. London: W. Pixton & Co., 1902).

今日はイングランドの作曲家エズラ・リード没後100年です。今回はリード作曲「日本ポルカ ヘ長調」を弾きました。表紙にある妖精の行進の絵 (下図) は、 Playtime Melodies の他の曲の楽譜でも使われており、おそらくこの曲のために描かれたものではありません。

米国議会図書館の LC Name Authority File (2022-10-13 閲覧) では "Spanglefish.com website" を出典として、エズラ・リードが1862年2月14日に生まれて1922年10月13日に亡くなっている、としています。

楽譜は「日本関係欧文貴重書データベース Rare books in the collection 」(国際日本文化研究センター International Research Center for Japanese Studies) で閲覧できます。

2022-10-06

100th Death Anniversary of Anton Gatscha

Anton Gatscha (Czech/Austria, 1883 - 1922) - Sonate f-Moll für Klavier, Op. 3 (Wien: Verlag von Max Jaffé). Frau Annie Kupelwieser gewidmet.
II. Andante molto tranquillo, alla romanza (E flat major).

III. Fughetta a tre voci. Allegretto ma non troppo vivo (F minor).

今日は・ボヘミア出身のオーストリアの作曲家・指揮者・音楽教師、アントン・ガチャ没後100年の命日です。今回は「ピアノソナタ ヘ短調 Op.3」(全4楽章) より、以前に録音した第2楽章 変ホ長調、第3楽章「3声のフゲッタ」ヘ短調を紹介します。

アントン・ガチャは1883年3月21日にオーストリア=ハンガリー帝国ボヘミア王国のランゲンドルフ (Langendorf. 現在のチェコ領ドロウハー・ヴェス Dlouhá Ves) に生まれました。ヴィーン大学で文献学を学び、ギード・アドラー (Guido Adler, 1855 - 1941) の音楽史の講義を受講し、1905年に博士号 (PhD) を取得。ヴィーン音楽舞台芸術アカデミー (Kaiserlich-königliche Akademie für Musik und darstellende Kunst) でオイゲン・トーマス (Eugen Thomas, 1863 - 1922) とローベルト・フックス (Robert Fuchs, 1847 - 1927) に師事し、1910年にアカデミーを卒業しました。

ヴィーンの教育機関ウラニア (Urania) で音楽理論などを教える正規教員となり、 さまざまな楽団や合唱団の指揮者、音楽批評家としても活動しました。1922年10月6日にヴィーンで亡くなりました。

出典: Harten, Uwe (2003-04-25). „Gatscha, Anton‟, in: Oesterreichisches Musiklexikon online, begr. von Rudolf Flotzinger, hg. von Barbara Boisits. doi:10.1553/0x0001ceb4. Retrieved 2022-10-06.

2022-10-05

150th Birth Anniversary of Emil Votoček

Emil Votoček (Czech, 1872 - 1950) - Allegretto grazioso in A flat major (Praha: Administrace Collection).

今日はチェコ・ボヘミアの化学者・作曲家、エミル・ヴォトチェク生誕150年の誕生日です。今回はヴォトチェク作曲「アレグレット・グラツィオーゾ 変イ長調」を弾きました。

エミル・ヴォトチェクは1872年10月5日にトルトノフ近郊のホスティネー (Hostinné) で紙問屋の子として生まれました。当初は父の意向によりプラハ商科アカデミーで学びましたが、化学に転向してプラハのチェコ高等工科学校 (ドイツ語: Tschechische Technische Hochschule ; チェコ語: Česká vysoká školá technická) を卒業しました。次いで学んだミュルーズ (ミュールハウゼン、当時はドイツ帝国エルザスに属した) の染色学校 (おそらく高等化学校 École Supérieure de Chimie de Mulhouse) では、付加反応によるフクシンの無色化を利用した亜硫酸塩の検出試薬である「ヴォトチェクの試薬」(Votoček's reagent) を発見しました。その後、ドイツのゲッティンゲン大学の農芸化学者ベルンハルト・トレンス (Bernhard Tollens, 1841 - 1918) の下で研究し、以後は糖化学を専門としました。プラハに戻ると、1905年にチェコ高等工科学校の助教授、1907年に教授となり、1921年から1922年にかけてチェコ工科大学 (České vysoké učení technické. 1920年にチェコ高等工科学校から改称) の学長を務めました。1950年10月11日にプラハで亡くなりました。大学の教え子にルドルフ・ルケシュ (Rudolf Lukeš, 1897 - 1960)、オット・ヴィフテルレ (Otto Wichterle, 1913 - 1998) がいます。

化学者としては「ヴォトチェクの試薬」発見のほかに、専門の糖化学の分野においていくつかの糖を発見し、国際的に採用されたメチルペントースの命名法を確立しました。その他の化学の分野においても、水銀滴定によるハロゲンの定量分析法を発見し、アレクサンドル・ソンメル=バチェク (Alexandr Sommer-Batěk, 1874 - 1944) と共同でチェコ語での化学命名法の確立に貢献するなどの成果を残しました。著書には教科書として書かれた「有機化学演習 Cvičení v chemii organické 」(1899-1901)、「無機化学 Chemie anorganická 」(1902)、「有機化学 Chemie organická 」(1927) のほか、チェコ語、ドイツ語、フランス語、英語、イタリア語、ラテン語の「6言語化学辞典 Šestijazyčný chemický slovník 」(1941) などがあります。

音楽家としてはピアノ曲、室内楽曲、歌曲などを作曲して70曲ほどの作品を残し、「外国語成句の音楽辞典 Hudební slovník cizích výrazů a rčení [Musical dictionary of foreign expressions and phrases] 」(1946) の編纂をしています。

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