2017-12-20

150th Birth Anniversary of Fini Henriques

Fini Henriques (Denmark, 1867 - 1940) - Erotik, Klaverstykker, Op. 15 (1896); No. 1. Mélodie. Andantino (F major)

今日はデンマークの作曲家・ヴァイオリン奏者、フィニ・ヘンレゲス生誕150年の誕生日です。今回はヘンレゲス作曲「愛の歌、ピアノ小品集 Op. 15」(全5曲) より第1曲「メロディ ヘ長調」を弾きました。姓についてはデンマーク語の発音ではヘンレゲスに近い発音になるようですが、日本語ではヘンリクスの表記が広まっています。

フレゼレクスベア (Frederiksberg) に生まれたフィニ・ヘンレゲスは、コペンハーゲンでヴァルデマ・トフテ (Valdemar Tofte, 1832 - 1907) とヨハン・スヴェンセン (Johan Svendsen, 1840 - 1911) に、1888年から1891年にかけてベルリンでヨーゼフ・ヨアヒム (Joseph Joachim, 1831 - 1907)とヴォルデマル・バルギール (Woldemar Bargiel, 1828 - 1897) に師事しました。その後はコペンハーゲンで活動しています。

同時代のコペンハーゲンには同姓のローバート・マーティン・ヘンレゲス (Robert Martin Henriques, 1858 - 1914) という作曲家がいます。以前にローバート・ヘンレゲス没後100年の記念に彼の「瞑想、新市庁舎の塔の鐘の動機 H-A-G-E による前奏曲 Méditation, prélude sur H. A. G. E.」の演奏動画を投稿しました。

2017-12-18

150th Birth Anniversary of Samuil Maykapar

Samuil Maykapar (Самуил Моисеевич Майкапар ; Самуїл Мойсейович Майкапар, Ukraine, 1867 - 1938) - Pensées fugitives. Suite de six Esquisses pour piano, Op. 11 (Leipzig: Zimmermann, 1912); No. 6. Cantabile (B major).

今日はウクライナ出身の作曲家サムイル・マイカパル生誕150年の誕生日です。今回はマイカパル作曲「束の間の思い、6つのエスキスからなる組曲 Op. 11」より第6曲を弾きました。終曲となる第6曲はロ長調の曲ですが、終結部で第1曲 Allegretto grazioso イ長調を回想してその調のまま終わります。

ヘルソンに生まれたサムイル・マイカパルは、タガンログガエターノ・モッラ (Gaetano Molla, 1845 - 1894) に師事したのち、1885年にペテルブルク大学法学部とペテルブルク音楽院に進学しました。大学法学部は1891年に卒業し、音楽院ではベニアミーノ・チェージ (Beniamino Cesi, 1845 - 1907) とヴラディーミル・デミャンスキー (Vladimir Demyansky, 1846 - 1915) とヨーゼフ・ヴァイス (Josef Weiss, 1864 - 1945) にピアノを、ニコライ・ソロヴィヨーフ (Nikolay Solovyov, 1846 - 1916) に作曲を師事し、1893年にピアノ科を、1894年に作曲科を卒業しました。その後はヨーロッパ各地でピアノ奏者として演奏会を開きながら、1898年までヴィーンのテオドル・レシェティツキ (Theodor Leschetizky, 1830 - 1915) にピアノを師事し、1903年以降はモスクワを活動拠点としました。1910年には母校のペテルブルク音楽院 (1924年にレニングラード音楽院に改称) でピアノ教師となり、1917年から1930年まで教授を務めました。

追記: 「I.ヴェイス (И. Вейс)」を特定し、ヨーゼフ・ヴァイスとしました (2023-05-15)。

2017-12-06

150th Birth Anniversary of Jan Skrzydlewski

Jan Skrzydlewski (Poland, 1867 - 1943) - 24 Preludes; Prelude No. 9 (Cahier 2 No. 3). Andante (B minor)

今日はポーランドの作曲家・ピアノ奏者、ヤン・スクシドレフスキ生誕150年の誕生日です。今回はスクシドレフスキ作曲「24の前奏曲」より第9番 ロ短調を弾きました。

スクシドレフスキについては Antoni Gąsiorowski, Jerzy Topolski (red.): Wielkopolski Słownik Biograficzny. Warszawa-Poznań: Państwowe Wydawnictwo Naukowe, 1981, s. 674-675 を出典とするポーランド語版ウィキペディアに経歴が書かれています。プロイセン王国ポーゼン州の街スレンチン (Sulęcin) に生まれたヤン・スクシドレフスキは、1891年から1894年までベルリンの王立芸術アカデミー (Königliche Akademie der Künste) で学び、1895年から1898年までヴィーンでテオドル・レシェティツキ (Theodor Leschetizky, 1830 - 1915) にピアノを師事しています。

2017-12-03

200th Death Anniversary of August Eberhard Müller

August Eberhard Müller (Germany, 1767 - 1817) - Instructive Übungsstücke. 4tes Supplement zum kleinen Elementarbuch (Pieces instructives Liv. 4); Andante con moto h-Moll

今日はドイツの作曲家・オルガン奏者、アウグスト・エーベルハルト・ミュラー没後200年の命日です。そして10日後の12月13日には生誕250年の誕生日となります。今回はミュラー作曲「教育的練習曲集、小初級教本の付録 第4巻」より「アンダンテ ロ短調」を弾きました。

2017-12-01

200th Death Anniversary of Justin Heinrich Knecht

Justin Heinrich Knecht (Germany, 1752 - 1817) - Neue Vollständige Sammlung aller Arten von Vor- und Nachspielen, Fantasien, Versetten, Fugetten und Fugen für geübtere und ungeübtere Klavier und Orgel Spieler; Heft 2 No. 11. Fughetta. Andante (C minor)

今日はドイツの作曲家・オルガン奏者、ユスティン・ハインリヒ・クネヒト没後200年の命日です。今回はクネヒト作曲「熟練あるいは未熟のクラヴィーア奏者とオルガン奏者のためのあらゆる種類の前奏曲、後奏曲、幻想曲、ヴェルセット、フゲッタ、フーガからなる新しい全集」(全6巻) より第2巻第11曲「フゲッタ ハ短調」を弾きました。

2017-11-28

150th Birth Anniversary of Gustaf Hägg

Gustaf Hägg - (Sweden, 1867 - 1925) - Sommartankar. 6 Pianostycken, Op. 14; No. 3. Berceuse. Andantino con molto espressione (D major)

今日はスウェーデンの作曲家・オルガン奏者、グスタフ・ヘッグ生誕150年の誕生日です。今回はヘッグ作曲「夏の思考、6つのピアノ小品 Op. 14」より第3曲「子守歌 ニ長調」を弾きました。

ゴットランド島ヴィスビューに生まれたグスタフ・ヘッグは、ストックホルムの王立音楽院 (現在のストックホルム音楽大学) でオーグスト・ラーゲルグレン (August Lagergren, 1848 - 1908) にオルガンを、音楽院卒業後にユーセフ・デンテ (Joseph Dente, 1838 - 1905) に作曲、対位法、管弦楽法を師事しました。

出典: Swedish Musical Heritage - Gustaf Hägg

2017-11-27

150th Birth Anniversary of Charles Koechlin

Charles Koechlin (France, 1867 - 1950) - 10 Petites pièces faciles pour le piano, Op. 61c; No. 3. La maison heureuse. Andantino (C major)

今日はフランスの作曲家シャルル・ケクラン生誕150年の誕生日です。今回はケクラン作曲「10の易しい小品 Op. 61c」より第3曲「幸福な家 ハ長調」を弾きました。

2017-11-13

200th Birth Anniversary of Louis James Alfred Lefébure-Wély

Louis James Alfred Lefébure-Wély (France, 1817 - 1869) - Pensées intimes, Op. 91; No. 3. Campanella (G flat major)

今日はフランスの作曲家・オルガン奏者・ピアノ奏者、ルイ・ジェムス・アルフレッド・ルフェビュル=ヴェリ生誕200年の誕生日です。今回はルフェビュル=ヴェリ作曲「秘められた思い Op. 91」より第3曲「鐘 (カンパネラ) 変ト長調」を弾きました。「瞑想曲 ヘ短調」、「無言歌 変ロ長調」、「鐘」の3曲からなる「秘められた思い」はフランツ・リストに献呈されています。

2017-11-12

200th Birth Anniversary of Gustav Nottebohm

Gustav Nottebohm (Germany, 1817 - 1882) - 6 Romanesques, Op. 2; No. 4. Allegro grazioso (D major)

今日はドイツ出身の作曲家・ピアノ奏者・著述家、グスタフ・ノッテボーム生誕200年の誕生日です。今回はノッテボーム作曲「6つのロマネスク」から第4番 ニ長調を弾きました。

リューデンシャイト (Lüdenscheid) に生まれたグスタフ・ノッテボームは、1838年から1839年にかけてベルリンでルートヴィヒ・ベルガー (Ludwig Berger, 1777 - 1839) とジークフリート・デーン (Siegfried Wilhelm Dehn, 1799 - 1858) にピアノと作曲を、1847年にヴィーンでジーモン・ゼヒター (Simon Sechter, 1788 - 1867) に対位法を師事しました。その後はヴィーンを拠点に活動し、著述家としてはルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンに関する研究がよく知られています。

出典: A Dictionary of Music and Musicians (1900), edited by George Grove, p. 479

2017-11-06

150th Birth Anniversary of Franciszek Brzeziński

Franciszek Brzeziński (Poland, 1867 - 1944) - Polnische Suite für Klavier, Op. 4; III. Intermezzo (Quasi Sarabande) (E flat major)

今日はポーランドの作曲家・批評家、フランチシェク・ブジェジニスキ生誕150年の誕生日です。今回はブジェジニスキ作曲「ポーランド組曲 Op. 4」より第3楽章「間奏曲 (サラバンド風に) 変ホ長調」を弾きました。

ワルシャワに生まれたフランチシェク・ブジェジニスキは、同地でヤン・クレチニスキ (Jan Kleczyński, 1837 - 1895) から最初のピアノ教育を受け、ドレスデンとタルトゥで法学を、1893年から1896年にかけてライプツィヒでフーゴ・リーマン (Hugo Riemann, 1849 - 1919) と A. シェリング (A. Schering) から音楽学を学びました。1903年にワルシャワで弁護士となりましたが、1904年から1907年にかけてライプツィヒでマックス・レーガー (Max Reger, 1873 - 1916) とシュテファン・クレール (Stephan Krehl, 1864 - 1924) に作曲を、アルトゥル・ニキシュ (Arthur Nikisch, 1855 - 1922) に指揮を師事し、その後は音楽家として活動しています。

出典: MGG Online - Brzeziński, Franciszek Ksawery

2017-11-02

150th Birth Anniversary of Vasily Sapelnikov

Vasily Sapelnikov (Василий Львович Сапельников, Wassily Sapellnikoff, 1867 - 1941) - 3 Pièces, Op. 8; No. 1. Muguet, chanson pour piano (G flat major)

3 Compositions, Op. 10; No. 2. Moment Lyrique, morceau pour piano (B major)

今日はウクライナ出身の作曲家・ピアノ奏者、ヴァシーリー・サペリニコフ (サペルニコフ) 生誕150年の誕生日です。今回はサペリニコフ作曲「3つの小品 Op. 8」より第1曲「スズラン、ピアノのための歌 変ト長調」を弾きました。

以前にサペリニコフ作曲「3つの作品 Op. 10」より第2曲「抒情的な時、ピアノのための小品 ロ長調」を弾いたので、ここで併せて紹介します。

2017-10-05

200th Birth Anniversary of Eduard Franck

Eduard Franck (Germany, 1817 - 1893) - 40 Klavierstücke, Op. 43 (Seinen Töchtern Elsa und Ida); No. 35. Lied. Allegretto (E flat major)

今日はドイツの作曲家エドゥアルト・フランク生誕200年の誕生日です。エドゥアルト・フランクの作品は以前に「性格的小品 イ短調 Op. 3 No. 3」を弾きましたが、今回は「40のピアノ小品 Op. 43」より第35曲「リート (歌曲) 変ホ長調」を弾きました。この曲集は1882年に出版され、彼の2人の娘であるエルザ (b. 1860) とイーダ (b. 1862) に献呈されています。

2017-09-23

200th Birth Anniversary of Léon Kreutzer

Léon Kreutzer (France, 1817 - 1868) - Piano Sonata in F minor, Op. 2 No. 2; II. Andante in A flat major (excerpt)

今日はフランスの作曲家レオン・クロイツェル生誕200年の誕生日です。今回はクロイツェル作曲「アンダンテ 変イ長調」を弾きました。確認できていないのですが「ピアノソナタ ヘ長調 Op. 2 No. 2」の第2楽章からの抜粋らしいです。

パリに生まれたレオン・クロイツェルは、ルイ・ジェルマン・フレシュ (Louis Germain Flèche, b. 1805) にピアノを、フランソワ・ブノワ (François Benoist, 1794 - 1878) に作曲を師事しました。父親はヴァイオリン奏者・作曲家のオギュスト・クロイツェル (Jean Nicolas Auguste Kreutzer, 1778 - 1832)、伯父 (オギュストの兄) は著名なヴァイオリン奏者・作曲家のロドルフ・クロイツェル (Rodolphe Kreutzer, 1766 - 1831) です。

2017-09-10

150th Death Anniversary of Simon Sechter

Simon Sechter (Austria, 1788 - 1867) - 24 Praeludien in allen Dur- und Moll-Tönen, für die Orgel, mit besonderer Rücksicht auf das Pedal; No. 4. Andante e-Moll

今日はオーストリアの作曲家・オルガン奏者、ジーモン・ゼヒター没後150年の命日です。今回はゼヒター作曲「オルガンのための全長短調による24の前奏曲 Op. 26」より第4番 ホ短調 を弾きました。

この曲集はオーストリアの作曲家・オルガン奏者・ヴァイオリン奏者のアンブロス・リーダー (Ambros Rieder, 1771 - 1855) に献呈されています。題名によればオルガン曲ということになりますが、楽譜はすべて2段譜で書かれており、足鍵盤のないピアノでも演奏できる曲がいくつかあります。

2017-08-28

250th Death Anniversary of Johann Schobert

Johann Schobert (Germany, died 1767.8.28) - Ein sonderbares musikalisches Stück welches auf dem Klavier, der Violin und dem Bass und zwar auf verschiedene Arten kann gespielet werden

今日はドイツ出身のフランスの作曲家・鍵盤楽器奏者、ヨハン・ショーベルト没後250年の命日です。今回はショーベルト作曲「奇妙な楽曲」を弾きました。

楽譜を逆さまに置いても全く同様に演奏できる第1番、第1番と同じ旋律だが楽譜を逆さまに置いて演奏すると違う曲になる第2番、逆さまに置くと第2部が現れる第3番、楽譜を間に挟んで向かい合ったヴァイオリン奏者と低音楽器奏者がそれぞれ高音部譜表と低音部譜表 (高音部譜表を反対側から読む) を2つのパートで演奏する第4番と第5番、という全5曲のメヌエットからなる作品です。このうち第1番、第3番、第4番は全く同じ曲になります。

楽譜を間に挟んだ演奏者が上下逆さまの譜面を同時に演奏する作品の例としては、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (Wolfgang Amadeus Mozart, 1756 - 1791) 作曲と伝えられる「2挺のヴァイオリンのための4つの鏡のカノン 4 Spiegelkanons, K.Anh.10.16 」があります。また、楽譜を逆さまに置いても全く同様に演奏できる作品にはイグナツ・モシェレス (Ignaz Moscheles, 1794 - 1870) 作曲「世のならわし The Way of the World 」があります。

似た趣向の曲としては、カール・ライネッケ (Carl Reinecke, 1824 - 1910) 作曲「ピアノ4手のためのカノン様式による12の練習曲 12 Studien in kanonischer Weise, Op. 130」(1874年出版) の第12曲「エオリア旋法のコラール (蟹行カノン) Choral in modo aeolico (Canon cancrizans) 」があります。これは第2奏者が第1奏者の楽譜を逆さまにしたものを演奏する4手連弾作品で、隣り合うページにパートを書かれた楽譜は全体で点対称になっています。

2017-07-16

100th Death Anniversary of Philipp Scharwenka

Ludwig Philipp Scharwenka (Germany, 1847 - 1917) - Für die Jugend, 6 kleine Stücke für das Pianoforte, Op. 71; No. 4. Lento espressivo, C-Dur

今日はポズナン大公国出身のドイツの作曲家フィーリプ・シャルヴェンカ没後100年の命日です。今回はフィーリプ・シャルヴェンカ作曲「若者のために、6つのピアノ小品 Op. 71」より第4曲 ハ長調 を弾きました。

プロイセンの支配下にあったポズナン大公国のザムター (Samter, ポーランド語ではシャモトゥウィ Szamotuły) に生まれたフィーリプ・シャルヴェンカは、1865年に弟のフランツ・クサーヴァー・シャルヴェンカ (Franz Xaver Scharwenka, 1850 - 1924) とともにベルリンの新音楽アカデミーでリヒャルト・ヴュルスト (Richard Wüerst, 1824 - 1881) に音楽理論を学びました。同時期にハインリヒ・ドルン (Heinrich Dorn, 1804 - 1892) にも師事しています。1870年に同校で音楽理論と作曲の教師となり、1880年にヴァイオリン奏者・作曲家のマリアンネ・シュトレーゾー (Marianne Scharwenka-Stresow, 1856 - 1918) と結婚しました。マリアンネとの間に生まれた子、ヴァルター・ゲルハルト・シャルヴェンカ (Walter Gerhard Scharwenka, 1881 - 1960) は作曲家・オルガン奏者になっています。

1881年には弟クサーヴァーとともにシャルヴェンカ音楽院 (Scharwenka-Konservatorium) を設立しました。1891年に弟とともに渡米しましたが、翌1892年には弟を残して帰国しました。音楽院は1893年にクリントヴォルト音楽学校と合併してクリントヴォルト・シャルヴェンカ音楽院 (Klindworth-Scharwenka-Konservatorium) となり、フィーリプは米国在住の弟の代わりに同校の理事に就任しました。

2017-06-27

100th Death Anniversary of Blas Maria Colomer

Blas Maria Colomer (Spain, 1833/1840 - 1917) -
Petites inventions canoniques, faciles et progressives à 2 parties, en deux cahiers: 1er Livre. No. 46. Modéré (D minor)

Sonatine burlesque sur des airs populaires français (G major)

24 Préludes mélodiques dans tous les tons majeurs et mineurs; No. 24. Aria. Lento (D minor)

今日はスペイン・バレンシア出身のフランスの作曲家・ピアノ奏者、ブラス・マリア・コロメル (ブライ・マリア・コロメ) 没後100年の命日です。今回はコロメル作曲「カノン風で易しく段階的な2声の小インヴェンション集」の50曲からなる第1巻より第46曲 ニ短調を弾きました。

以前にコロメル作曲の「フランスの愛唱歌によるおどけたソナティネ」と「24の旋律的前奏曲より第24曲『アリア ニ短調』」を弾いていたので、ここで併せて紹介します。

「おどけたソナティネ」は、当時よく知られていた民謡や童謡の旋律をふんだんに使った3楽章構成の小さなソナタです。使用されている曲は、第1楽章で Ah! vous dirai-je, maman (ああ、お母さん聞いて = きらきら星) / Dansez, dansez / Au clair de la lune (月の光に) / Nous n'irons plus au bois (もう森へは行かない) ; 第2楽章で Conservez bien la paix du cœur / Monsieur et Madame Denis de Jacques Offenbach (ジャック・オッフェンバックの「ドニ夫妻」) ; 第3楽章で Compère Guilleri (相棒ギエリ) / Ah! le bel oiseau, maman / Marlbrough s'en va-t-en guerre (マールボロは戦場に行った) / Sur le pont d'Avignon (アヴィニョンの橋の上で) / J'ai du bon tabac (いいタバコを持っている) です。

2017-05-13

Vladimir Artynov - Élégie, Op. 3 No. 4 'Le jour'

Vladimir Yevgenyevich Artynov (Владимир Евгеньевич Артынов) - 4 Élégies, Op. 3; No. 4. Le jour. Moderato (F minor)

ヴラディーミル・エヴゲーニエヴィチ・アルティーノフ作曲「4つの悲歌 Op. 3」より第4番「昼 ヘ短調」を弾きました。ユルゲンソンのプレート番号 (37465-37468) からすると、1914年頃に出版された楽譜のようです。

モスクワのロシア国立図書館には、独唱とピアノのための2つの歌曲集 (中声のための3つのロマンス Op. 1, 4つの詩 Op. 2) が所蔵されています。 この悲歌集は Op. 3 ですから、作品番号の付いた彼のピアノ曲としては最初に出版された曲集ということになるでしょう。

この曲集の各曲にはそれぞれ一日のうちの時間帯を示す言葉が副題として付けられていて、「夕べ Вечер ; Le soir」「夜 Ночь ; Le nuit」「朝 Утро ; La matin」「昼 День ; Le jour」と順に並んでいます。また、各曲はそれぞれセルゲイ・タネーエフ (Sergey Taneyev, 1856 - 1915)、ニコライ・ジリャーエフ (Nikolay Zhilyayev, 1881 - 1938)、アレクサンドル・グレチャニノフ (Aleksandr Grechaninov, 1864 - 1956)、コンスタンチン・イグームノフ (Konstantin Igumnov, 1873 - 1948) に献呈されています。タネーエフとそのモスクワ音楽院での教え子たちですね。

題辞として各曲に副題にちなんだ詩が楽譜に書かれていました。第4番「昼」のものは以下に示すとおりです。

Ярко светит солнце. Всюду жизнь и все цветет...
Но я один... Душа тоскует. Эта окружающая радость Дня только усиливает мою грусть... Я не верю Солнцу...
Мне грустно... Я один...

ヴラディーミル・アルティーノフの経歴については断片的な情報しか見つかりませんでした。1907年から1908年までセルゲイ・タネーエフから対位法の個人レッスンを受けていたこと (Сергей Иванович Танеев - Sergey Ivanovich Taneyev) からすると、4人の被献呈者は彼の師と兄弟子たちということになります。また、1913年にモスクワで作曲の教師をしていて、音楽学者ゲオルギー・ポリャノーフスキー (Georgy Polyanovsky, 1894 - 1983) を指導していた (Марина Раку "Музыкальная классика в мифотворчестве советской эпохи", p. 461) とありました。

2017-05-11

100th Death Anniversary of Otto Klauwell

Otto Klauwell (1851 - 1917) - 3 Stücke in Kanonform, Op. 38
No. 1. Präludium Es-Dur. Langsam

No. 3. Romanze E-Dur. Getragen und ausdrucksvoll

今日はドイツの作曲家オットー・クラウヴェル没後100年の命日です。今回はクラウヴェル作曲「カノン形式による3つの小品 Op. 38」より第1曲「前奏曲 変ホ長調」と第3曲「ロマンツェ ホ長調」を弾きました。

作曲家・ピアノ教師であったアドルフ・クラウヴェル (Adolf Klauwell, 1818 - 1879) の甥であったオットー・クラウヴェルは、プロイセン王国のバート・ランゲンザルツァ (Bad Langensalza) に生まれました。1865年から1870年までプフォルタ学院 (Schulpforta) に在学。普仏戦争 (1870-1871) に従軍したのち、1871年にライプツィヒ大学に入学して数学と自然科学を専攻したものの、1872年からライプツィヒ音楽院でエルンスト・フリードリヒ・リヒター (Ernst Friedrich Richter, 1808 - 1879) とカール・ライネッケ (Carl Reinecke, 1824 - 1910) に師事。 1874年に学位論文 Die historische Entwicklung des musikalischen Kanons (カノンの歴史的発達) で博士号を取得。1875年にはケルン音楽院 (現在のケルン音楽大学) でピアノ、作曲、音楽史の教授となりました。

2017-05-05

150th Birth Anniversary of Karl Thiessen

Karl Thiessen (Germany, 1867 - 1945) - Mazurka, Hommage à Grieg

今日はドイツの作曲家・ピアノ奏者、カール・ティーセン生誕150年の誕生日です。今回はティーセン作曲「マズルカ イ短調、グリーグを讃えて」を弾きました。楽譜は1907年に出版された「新音楽新聞 Neue Musik Zeitung 」に掲載されています。

キールに生まれたカール・ティーセンは、1888年よりヴァイマルの大公音楽オーケストラ学校 (Musik- und Orchesterschule, 現在のフランツ・リスト・ヴァイマル音楽大学) でカール・ミュラーハルトゥング (Carl Müllerhartung, 1834 - 1908) にピアノと対位法を師事。ヴュルツブルク王立音楽大学でカール・クリーベルト (Karl Kliebert, 1849 - 1907) に管弦楽法と指揮をマックス・マイヤー=オルバースレーベン (Max Meyer-Olbersleben, 1850 - 1927) に音楽理論を、ファン・ツァイル (van Zeyl) にピアノを師事しました。東フリースラント地方のエムデン、アウリヒで合唱指揮者となり、1897年よりツィッタウで活動しています。以上の経歴は Hermann Fey: Schleswig-Holsteinische Musiker. Ein Heimatbuch, Hamburg (Carl Holler) 1921, pages 113-117 を出典とするドイツ語版ウィキペディアに書かれていたものです。

2017-05-03

200th Birth Anniversary of Anton Berlijn

Anton Berlijn (Netherlands, 1817 - 1870) - Nocturne in A minor. Andante con espressione (Beethoven-Album, pages 184-187. Based on Ludwig van Beethoven's Symphonies Nos. 5 and 7)

今日はオランダの作曲家・指揮者、アントン・ベルレイン生誕200年の誕生日です。今回はベルレイン作曲「夜想曲 イ短調」を弾きました。この曲は「ベートーヴェン・アルバム Beethoven-Album. Ein Gedenkbuch dankbarer Liebe und Verehrung für den grossen Todten 」(Stuttgart: Hallberger'sche Verlagshandlung, 1846) に収録されたもので、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲の「交響曲第7番 イ長調 Op. 92」、「交響曲第5番 ハ短調 Op. 67」の主題が使われています。

アムステルダムに生まれたアントン・ベルレインは、同地でベルナルト・コッホ (Bernard Koch, 1791 - 1858) にピアノとヴァイオリンを、ローデウェイク・エルク (Henrik Karel Willem Lodewijk Erck) に音楽理論を師事。1839年にはライプツィヒでゴトフリート・フィンク (Gottfried Fink, 1783 - 1846) に対位法を師事しました。

2017-03-24

150th Birth Anniversary of Martinus Sieveking

Martinus Sieveking (Netherlands, 1867 - 1950) - A Sketch (E minor)

今日はオランダ出身の作曲家・ピアノ奏者、マルティヌス・シーヴェキング (マルティヌス・ジーフェキング ; マーティン・シーヴキング) 生誕150年の誕生日です。今回はシーヴェキング作曲「スケッチ ホ短調」を弾きました。

アムステルダムに生まれたマルティヌス・シーヴェキングは、合唱指揮者・作曲家であった同名の父マルティヌスにピアノの手ほどきを受けたのち、アムステルダム音楽院でフランス・クネン (Frans Coenen, 1826 - 1904) に作曲を、ユリウス・レントゲン (Julius Röntgen, 1855 - 1932) にピアノを師事しました。伴奏者、独奏者として欧米各地を演奏旅行し、ボディビルダーのユージン・サンドウ (Eugen Sandow, 1867 - 1925) の米国興行 (1893) にも音楽家として同行しました。サンドウの指導でシーヴェキング自身もボディビルディングを行っていたようです。1898年にはヴィーンのテオドル・レシェティツキ (Theodor Leschetizky, 1830 - 1915) のもとでピアノの演奏技術を磨きました。

2017-03-22

50th Death Anniversary of Émile Nerini

Émile Nerini (France, 1882 - 1967) - Piano Sonata No. 1 in C sharp minor, Op. 13 (1903); II. Adagio espressivo quasi romanza (E major)

今日はフランスの作曲家エミル・ネリニ没後50年の命日です。今回はネリニ作曲「ピアノソナタ第1番 嬰ハ短調 Op. 13」より第2楽章 ホ長調 を弾きました。

ピアノ製造業者の子としてコロンブで生まれたエミル・ネリニは、パリ音楽院でエミル・デコンブ (Émile Decombes, 1829 - 1912)、シャルル・フェルディナン・ルヌヴー (Charles-Ferdinand Lenepveu, 1840 - 1910)、ジョルジュ・コサード (Georges Caussade, 1873 - 1936) に師事しました。

出典: Baker's Biographical Dictionary of Musicians, 5th edition, 1958. page 1152

2017-03-04

100th Death Anniversary of Julius Bechgaard

Julius Bechgaard (Denmark, 1843 - 1917) - Charakteerstykker, Op. 3; No. 3. Aftenscene. Andante quasi Allegretto (G minor)

今日はデンマークの作曲家・オルガン奏者、ユーリウス・ベクゴー没後100年の命日です。今回はベクゴー作曲の4曲からなる「性格的小品集 Op. 3」より第3曲「夜景 ト短調」を弾きました。

コペンハーゲンに生まれたユーリウス・ベクゴーは1869年から1871年にかけてライプツィヒ音楽院で学んだのち、コペンハーゲンでヨハン・クレスチャン・ゲバウア (Johan Christian Gebauer, 1808 - 1884) とニルス・ゲーゼに師事しました。

出典: Kendtes Gravsted ; Baker's Biographical Dictionary of Music and Musicians (1919), p. 58

2017-02-10

100th Death Anniversary of Émile Pessard

Émile Pessard (France, 1843 - 1917) - 25 Pièces pour piano, Op. 20; No. 6. Valse rêveuse (G minor)

今日はフランスの作曲家・批評家、エミール・ペサール没後100年の命日です。今回はペサール作曲「25の小品 Op. 20」より第6曲「夢想のワルツ ト短調」を弾きました。

モンマルトルに生まれたエミール・ペサールは、パリ音楽院でフランソワ・バザン (François Bazin, 1816 - 1878) に和声を、ローラン (Laurent) にピアノを、フランソワ・ブノワ (François Benoist, 1794 - 1878) にオルガンを、ミケーレ・カラファ (Michele Carafa, 1787 - 1872) に作曲を師事しました。1862年に音楽院の和声法で一等賞を獲得し、1866年にローマ賞第一等 (次席なし) を受賞しました。1881年よりパリ音楽院で和声法の教授となり、教え子の中にはギュスターヴ・シャルパンティエモーリス・ラヴェル、ジュスタン・エリー (Justin Elie, 1883 - 1931)、ジャック・イベールなどがいます。

ペサールの作品の中では、同じ「25の小品 Op. 20」の第8曲「アンダルーズ 嬰ヘ短調 Andalouse 」をペサール自身がフルートとピアノに編曲したもの (ホ短調に移調) がよく知られているようです。

出典: Baker's Biographical Dictionary of Music and Musicians (1919), p. 698

2017-02-07

150th Birth Anniversary of Richard Wickenhausser

Richard Wickenhausser (Czech, 1867 - 1936) - 10 Kleine Tonbilder, Op. 72; No. 6. In den Fjorden. Pastoral (G minor)

今日はチェコ出身の作曲家・合唱指揮者、リヒャルト・ヴィケンハウサー生誕150年の誕生日です。今回はヴィケンハウサー作曲「10の小さな音画 Op. 72」より第6曲「フィヨルドにて ト短調」を弾きました。

モラヴィアのブルノに生まれたリヒャルト・ヴィケンハウサは、オットー・キツラー (Otto Kitzler, 1834 - 1915) に師事したのち、1890年から1893年にかけてライプツィヒ音楽院でザーロモン・ヤーダスゾーン (Salomon Jadassohn, 1831 - 1902) とオスカル・パウル (Oscar Paul, 1836 - 1898) に師事しました。

出典: Baker's Biographical Dictionary of Music and Musicians (1919), pp. 1032-1033

2017-01-17

100th Death Anniversary of Viktor Gluth

Viktor Gluth (Czech, 1852 - 1917) - Tonskizzen, II. Etwas bewegt (G major)

今日はチェコ出身のドイツの作曲家ヴィクトル・グルート没後100年の命日です。今回は、グルート作曲の3曲からなる「音のスケッチ集」より第2曲 ト長調を弾きました。「音のスケッチ集」は1890年に出版された「新音楽新聞 Neue Musik Zeitung 」に掲載されました。

オーストリア帝国の支配下にあったボヘミアのプルゼニ (ピルゼン) に生まれたヴィクトル・グルートは、ミュンヘンの王立音楽アカデミー (現在のミュンヘン音楽・演劇大学) の教授となり、ミュンヘンで亡くなりました。

出典: Baker's Biographical Dictionary of Music and Musicians (1919), pp. 317