Hans Christian Lumbye (Denmark, 1810 - 1874) - Melodiske Smaastykker for de første Begyndere (København: Chr. E. Horneman, 1863); No. 9. Til Caroline. Allegretto (C major).
今日はデンマークの作曲家・指揮者、ハンス・クレスチャン・ロンビュー (ロンビ) 没後150年の命日です。今回はロンビュー作曲「初学者のための旋律的小品集」より第9曲「カロリーネに ハ長調」を弾きました。
ハンス・クレスチャン・ロンビューは、1810年5月2日にデンマーク王国の首都コペンハーゲン (クブンハウン København) で、軍人のラスムス・ハンスン・ロンビュー (Rasmus Hansen Lumbye, 1785 - 1837) とマーガレータ・ロンビュー、旧姓マルムグレーン (Margreta Lumbye født Malmgreen, ca. 1777 - 1855) の子として生まれました。父の任地であるラナース、オーゼンセで育ちましたが、極寒の大ベルト海峡を渡った際に耳の病気にかかり右耳の聴力を失いました。ラナースではヴァイオリンを学び、1821年に移ったオーゼンセではデーヴィズ・ヤコプ・スィーヴァトスン (David Jacob Sivertsen) から音楽理論の指導を受け、独学で歌曲や行進曲の作曲を始めていました。14歳になる前日にフューン軽竜騎兵連隊 (父が所属していた) の軍楽隊にトランペット奏者として採用され、1825年に幕僚トランペット奏者 (Stabstrompeter) ハンスン (Chr. Fr. Hansen) より、訓練を修了したトランペット奏者の証明書として職人証 (lærebrev) を授かりました。1829年には首都コペンハーゲンの近衛騎兵隊 (Livgarden til Hest) に転属しました。コペンハーゲンではヴァイオリンを学び、作曲の独学も続けました。作曲した舞曲は評判となり、ロンビューは舞踏会の音楽監督として引く手あまたとなりました。
1839年にコペンハーゲンで、音楽監督ジーグル (W. Siegl) が率いるシュタイアーマルクの楽団による「シュトラウスの演奏会」において、当地ではあまり知られていなかったヨハン・シュトラウス1世 (Johann Strauss I, 1804 - 1849) とヨーゼフ・ランナー (Joseph Lanner, 1801 - 1843) の舞曲を聴いて感銘を受けました。すぐに楽団を結成し、1840年には自身の楽団を指揮し、自作を演奏しました。王立バレエ団バレエマスター・振付家であるオーギュスト・ブルノンヴィル (August Bournonville, 1805 - 1879) の王立劇場でのバレエのために舞曲を作曲しました。ギーオウ・カーステンスン (Georg Carstensen, 1812 - 1857) が1843年8月に開設した遊園地「コペンハーゲンの夏のティヴォリ Kjøbenhavns Sommer-Tivoli 」(チボリ公園) では開設時より演奏会場の音楽監督・指揮者を務め、しばしばヴァイオリンの演奏もしました。「夏のティヴォリ」の閉園期にはヨーロッパ各地を演奏旅行で訪れました。1844年と1845年にはフランスとドイツを訪れ、1846年冬にベルリンに滞在。1850年にサンクトペテルブルクで5ヶ月間滞在。その後、パリ、ベルリン、ハンブルク、デンマーク各地、スウェーデンを訪れました。1860年5月3日にはストックホルムでスウェーデン王カール15世 (Karl XV, 1826 - 1872) の戴冠式に管弦楽団を伴い参加。1872年に聴力の悪化により「夏のティヴォリ」の音楽監督を開園期の途中で辞任。1874年3月20日にコペンハーゲンで亡くなりました。
ロンビューは1832年5月16日に最初の妻となるギオアギーネ・マリーイ・ハンスィーネ・ホフ (Georgine Marie Hansine Hoff, 1813 - 1871) と結婚し、彼女と死別したのちの1871年12月21日に2番目の妻となるアナ・ヒリーネ・ヨーンソン (Anna Helene Jønsson, 1833 - 1901) と結婚しました。ギオアギーネとの子に作曲家・ヴァイオリン奏者・指揮者のカール・クレスチャン・ロンビュー (Carl Christian Lumbye, 1841 - 1911)、作曲家・指揮者のギーオウ・アウゴスト・ロンビュー (Georg August Lumbye, 1843 - 1922)、俳優・作曲家のアメーリェ・アウゴスタ・フベア (Amalie Augusta Høeberg født Lumbye, 1846 - 1923) がいます。
出典:
- Berg, Sigurd (2001). “Lumbye, Hans Christian”. Grove Music Online. Retrieved 2023-03-18.
- Jürgensen, Knud Arne (2004/2016). “Lumbye, Hans Christian”. MGG Online. Retrieved 2023-03-18.
- Ripley, George; Dana, Charles A., eds. (1879). “Charles XV.”. The American Cyclopædia. New York: D. Appleton and Company.
- Dansk Biografisk Leksikon. lex.dk. Retrieved 2023-03-18.
- Skjerne, Godtfred (2011-07-18). “Carl Lumbye”.
- Skjerne, Godtfred (2011-07-18). “Georg Lumbye”.
- Skjerne, Godtfred (2014-03-27). “H.C. Lumbye”.
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