2020-12-17

150th Death Anniversary of Saverio Mercadante

Saverio Mercadante (Italy, 1795 - 1870) / Alessandro Longo (Italy, 1864 - 1945) - Il giuramento; Act I. Bella, adorata Incognita (Biblioteca d'oro. Vol. 3 No. 37. Cavatina dall' opera: Il giuramento. Andante mosso (B flat major))

今日はサヴェリオ・メルカダンテ没後150年の命日です。今回はメルカダンテ作曲の歌劇「誓い Il giuramento 」第1幕よりアリア「美しく愛しき謎の女よ Bella, adorata Incognita 」の、アレッサンドロ・ロンゴによるピアノ独奏編曲を弾きました。ロンゴが編纂した「金の図書館、あらゆる時代と地域の巨匠の作品からの700のピアノ小品 Biblioteca d'Oro, 700 pezzi per pianoforte tratti dalle opere di Maestri di ogni tempo e paese 」の第3巻に第37曲 Cavatina dall' opera: Il giuramento として収録されています。

サヴェリオ・メルカダンテは、ナポリ王国アルタムーラで貴族の私生児として生まれました。1799年に一時期成立したパルテノペア共和国が王国側の反撃で倒れ、その際の略奪により一家は財産を失いますが、1806年以後のフランス占領下のナポリで父が官吏となったため、一家はナポリに移りました。

異母兄からギターとクラリネットを学び楽才を示したメルカダンテは、1808年にサン・セバスティアーノ音楽院 (ナポリ音楽院の前身校) に入学し、ヴァイオリン、フルート、声楽を学んだほか、ジョヴァンニ・フルノ (Giovanni Furno, 1748 - 1837) に通奏低音を、ジャコーモ・トリット (Giacomo Tritto, 1733 - 1824) に対位法を、1813年から音楽院の新院長に就任したニコロ・アントニオ・ジンガレッリ (Niccolò Antonio Zingarelli, 1752 - 1837) に作曲を師事しました。同音楽院では作曲と声楽の教師であるルイージ・カポトルティ (Luigi Capotorti, 1767 - 1842) にも学んでいます。

音楽院在学中には代表作の一つである「フルート協奏曲第2番 ホ短調」を作曲し、活動初期には室内楽曲 (主にフルートのための) の出版により収入を得ています。1819年8月19日初演 (ナポリ、サン・カルロ劇場) の最初のオペラ「ヘラクレスの神格化 L’apoteosi d’Ercole 」は成功を収め、1821年10月30日初演 (ミラノ、スカラ座) の7作目のオペラ「エリーザとクラウディオ Elisa e Claudio 」の成功は国外にも名声を広めました。1823年の春に興業主のドメニコ・バルバイア (Domenico Barbaia, 1778 - 1841) に3年間の契約で雇われ、ジョアキーノ・ロッシーニ (Gioacchino Rossini, 1792 - 1862) の後任としてサン・カルロ劇場のオペラ作曲家を務めました。1826年初めの「スペインの女王カリテア Caritea, regina di Spagna 」(ヴェネツィア初演) の成功ののち、同年にマドリードにある劇場の音楽監督に就任しました。1827年7月にリスボンに、1829年初めにカディスに移り、1830年にイタリアに戻りました。

1837年3月11日にスカラ座で初演された「誓い Il giuramento 」は、メルカダンテのオペラの中でも最高傑作とされています。1838年に炎症により片目の視力を失いました。1840年にナポリ音楽院院長に就任し、1845年から1856年まで音楽院院長との兼任でサン・カルロ劇場音楽監督を務めました。1852年に両シチリア王国宮廷軍楽隊監察官に任命されました。1861年にイタリア王国が成立すると、音楽院からの要望によりサン・カルロ劇場音楽監督に再任されました。1862年に発症した脳卒中により、全盲となりました。視力を失いながらも音楽院では院長の地位にとどまり、学生に新作を口述筆記させることを通して作曲を教え、完成した最後のオペラである「ヴィルジニア Virginia 」(1866年4月7日にナポリで初演) も成功を収めました。脳卒中の再発後ほどなくして1870年12月17日にナポリで亡くなりました。

教え子に以下の人物がいます。

出典:


0 件のコメント:

コメントを投稿