2020-02-23

100th Death Anniversary of Aleksandr Ilyinsky

Aleksandr Ilyinsky (Александр Александрович Ильинский, Russia, 1859 - 1920) - La journée d'une petite fille. 24 Morceaux pour piano (difficulté moyenne) à l'usage de la jeunesse, Op. 19; No. 1. Веселое пробуждение ; Le réveil joyeux. Moderato (F major)

今日はロシアの作曲家・音楽教師、アレクサンドル・イリイーンスキー没後100年の命日です。今回はイリインスキー作曲「少女の一日、若者用の中難度の24のピアノ小品 Op. 19」(ヴェーラ・マーモントヴァに献呈) より第1曲「喜ばしい目覚め ヘ長調」を弾きました。曲集はその名の通り、目覚めからの少女の一日を描写して第24曲「眠り ヘ長調 Sommeil」で終わります。

ツァールスコエ・セローに生まれたアレクサンドル・イリインスキーは、ベルリンの新音楽アカデミー (Neue Akademie der Tonkunst) でテオドール・クラク (Theodor Kullak, 1818 - 1882) にピアノを、1881年から1884年までベルリン高等音楽学校ヴォルデマール・バルギール (Woldemar Bargiel, 1828 - 1897) に作曲を師事し、1885年にペテルブルク音楽院の作曲科卒業認定試験により自由芸術家 (свободный художник) の称号を得ました。同1885年からモスクワ音楽愛好家協会附属音楽演劇学校 (Музыкально-драматическое училище Московского филармонического общества) で音楽理論、作曲、ピアノの教師となり、1896年から1905年まで同校の教授を、1905年からモスクワ音楽院で音楽理論、音楽史、作曲の教師となり、1916年から同音楽院の正教授 (профессор 1-й степени) を務めました。

教え子に以下の人物がいます。

ヴァレンティン・セローフ画「桃と少女 (ヴェーラ・マーモントヴァの肖像)」 "Girl with peaches (Portrait of Vera Savvichna Mamontova)" by Valentin Serov

曲集「少女の一日 Op. 19」の被献呈者であるヴェーラ・マーモントヴァ (Vera Mamontova, 1875 - 1907) は絵画モデルとして知られ、父は資本家で芸術振興に寄与したサーヴァ・マーモントフ (Savva Mamontov, 1841 - 1918) です。1903年に政治家のアレクサンドル・サマーリン (Aleksandr Samarin, 1868 - 1932) と結婚しました。モデルとなった絵画にヴァレンティン・セローフ (Valentin Serov, 1865 - 1911) 画「桃と少女 (ヴェーラ・マーモントヴァの肖像) Девочка с персиками (Портрет В. С. Мамонтовой)」(1887, トレチャコフ美術館所蔵, 上図)、ヴィクトル・ヴァスネツォフ (Viktor Vasnetsov, 1848 - 1926) 画「ヴェーラ・マーモントヴァの肖像 (少女) Портрет Веры Саввишны Мамонтовой (Боярышня)」(1884, ヴィクトルおよびアポリナリー・ヴァスネツォフ記念ヴャトカ美術館所蔵) と 「ヴェーラ・マーモントヴァの肖像 Портрет Веры Саввишны Мамонтовой」(1896, アブラームツェヴォ所蔵)、ミハイル・ヴルーベリ (Mikhail Vrubel, 1856 - 1910) 画「棺の中のタマラ Тамара в гробу」(1890-1891, トレチャコフ美術館所蔵) などがあります。このうちヴァレンティン・セローフの両親、父アレクサンドル・セローフ (Aleksandr Serov, 1820 - 1871) と母ヴァレンティーナ・セローヴァ (Valentina Serova, 1846 - 1924) はともに作曲家です。

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