Wiener Musikalisches Pfennig-Magazin für das Pianoforte allein, redigirt von Carl Czerny, 1ster Jahrgang, Nr. 45 (1834)
Nr. 115. Englisches Volkslied: God save the King, mit Variationen von Beethoven, Hummel und Kalkbrenner.
週刊の楽譜冊子 Wiener Musikalisches Pfennig-Magazin für das Pianoforte allein 第1年次第45号第115曲として出版された「イングランド民謡『神よ国王を護り賜え』とベートーヴェン、フンメル、カルクブレンナーによる変奏曲」という合作変奏曲を紹介します。前回の「『美しいミンカ』変奏曲」と同様に、この作品も編集者カール・チェルニーによるパスティッチョ変奏曲です。
Theme
Theme [God save the King]: Moderato (D major)
主題は現在ではイギリス国歌として知られる「国王陛下万歳」です。主題と3つの変奏はすべてニ長調となっています。
Var. 1: Beethoven
Var. 1 (D major) by Ludwig van Beethoven (1770-1827)
Variation 1 from Variations pour le Pianoforte sur le Thème: God save the King, in C major, WoO 78 (1802/3)
最初の変奏はチェルニーの師ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの初期の作品「『神よ国王を護り賜え』による7つの変奏曲 ハ長調 WoO 78」第1変奏をハ長調からニ長調に移調したものです。
Var. 2: Hummel
Var. 2 (D major) by Johann Nepomuk Hummel (1778-1837)
Variation 4 from Variations pour le Piano-Forte sur la Chanson: God save the king, Op. 10 (1794)
ベートーヴェンの友人であったヨハン・ネポムク・フンメルの変奏を次に配置しています。フンメル作曲「歌曲『神よ国王を護り賜え』による6つの変奏曲 ニ長調 Op.10」の第4変奏です。
Var. 3: Kalkbrenner
Var. 3: Allegro vivace (D major) by Friedrich Wilhelm Kalkbrenner (1784-1849)
Variation 8 from God save the King with 8 Variations for the Piano forte, Op. 18
フリードリヒ・カルクブレンナーはドイツ出身の作曲家ですが、主にロンドンやパリを拠点に活動していました。パリ音楽院卒業後、ヴィーンのヨハン・ゲオルク・アルブレヒツベルガーの下で対位法を学んだという点では、ベートーヴェンやフンメルの弟弟子ということになります。その後、ヴィーンの音楽家の一人として「愛国芸術家協会 Vaterländischer Künstlerverein (ディアベッリのワルツによる50の変奏曲)」にも参加しています。1834年当時はパリでピアノ奏者、音楽教師、ピアノ製作者としても活躍していました。カルクブレンナー作曲「愛好された歌曲『神よ国王を護り賜え』による8つの変奏曲 8 Variations pour le piano-forté, sur l'air favori: God save the King, Op. 17」の変奏ではないかと考えます。
「『神よ国王を護り賜え』による8つの変奏曲 Op.18」の第8変奏でした。フランス語題の版と英語題の版では作品番号のずれがあるようです。 (2019-07-19 追記)