Hymne japonais [Kimigayo, the national anthem of Japan] (Paris: Philippo, 1915), harmonisé par Paul Fauchey (1858-1936).
100年前にパリで出版された日本の国歌「君が代」の楽譜のピアノ伴奏を弾きました。フランスの作曲家ポール・フォシェによって編曲されたもので、4小節の前奏と7小節の後奏、フランス語訳された歌詞が付いています。旋律はほぼ原曲通りですが、和声がフランツ・エッケルト (Franz Eckert, 1852-1916) のものと異なっています。プロイセン出身でブレスラウとドレスデンの音楽院といったドイツの音楽教育を受けたエッケルトによる和声が付いた楽譜ではなく、パリ出身でパリ音楽院で学んだフォシェによって新たに和声を付けられたものが、第一次世界大戦 (1914-1918) の最中のフランス・パリで出版されているというのは興味深いです。同じ主題で変奏曲 Hymne japonais. Thème et variations (Paris: Philippo, 1915) も書いたようですが、こちらも気になりますね。
フォシェは作曲家のほか、オルガン奏者・ピアノ奏者などとしても活動しました。カミーユ・サン=サーンス、ジュール・マスネ、テオドール・デュボワに師事し、パリ音楽院を和声法の一等賞を得て卒業。サン・ロック教会、サン・トマ・ダキャン教会の正オルガン奏者、パリ音楽院和声法教授、リリック座、オペラ・コミック座における音楽院演奏会協会の歌唱指導者・合唱指揮者を歴任しました。
[歌詞]
Nous voulons grand Empereur
Que tu règnes à jamais avec bonheur
Que toujours aux jours succèdent les jours
Que toujours tu règnes vainqueur sur nos cœurs!
[表紙] 大日本帝国陸軍の軍旗、同海軍の軍艦旗として使われていた旭日旗を背景に、仏塔と花木のある庭園、赤い顔の仮面、提灯、刀と鞘が描かれています。
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