2015-02-13

Ferdinand Hiller - Choral on the motif G-A-C-B in G major, Op. 79 No. 8

Ferdinand Hiller (Germany, 1811 - 1885) - 8 Leichte Klavierstücke für seine kleine Tony, Op. 79 (pub. 1858); No. 8. Choral G-dur. Andante.

ドイツの作曲家フェルディナント・ヒラー作曲「小さなトニーのための8つの易しいピアノ小品」より第8曲「コラール ト長調」を弾きました。「行進曲風」、「タランテラ風」、「小奇想曲」、「ロマンツェ」、「小ロンド」、「スケルツォ」、「バラード」、「コラール」からなる曲集の終曲です。トニーというのは出版された1858年には8歳だった自身の娘、アントニー (Antonie Kwast-Hiller, 1850 - 1931) のことのようです。アントニーは後にオランダ出身のピアノ奏者ジェイムス・クヴァースト (Jacob James Kwast, 1852 - 1927) の最初の妻となります。

コラールは G-A-C-H の4音からなるモチーフ、いわゆるジュピター音型 (ハ長調の C-D-F-E) で始まります。この音型はモーツァルトが好んで使ったことで知られ、その名も彼の交響曲第41番ハ長調 K. 551 の俗称ジュピターから取られています。モーツァルトの弟子ヨハン・ネポムク・フンメルピアノソナタ第3番ヘ短調 Op. 20 第3楽章のフガートの主題にこの音型を用いました。そしてフンメルの弟子の一人がこのヒラーです。学習者のための性格的小品集といったものの終曲にこのコラールを配置するところに、古典に対するヒラーの敬意を感じます。曲の後半からスタッカートの伴奏が拍を刻む手法は、以前紹介したヒラー作曲のコラール (小組曲 Op. 197 第3曲) でも用いられています。

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