2022-10-05

150th Birth Anniversary of Emil Votoček

Emil Votoček (Czech, 1872 - 1950) - Allegretto grazioso in A flat major (Praha: Administrace Collection).

今日はチェコ・ボヘミアの化学者・作曲家、エミル・ヴォトチェク生誕150年の誕生日です。今回はヴォトチェク作曲「アレグレット・グラツィオーゾ 変イ長調」を弾きました。

エミル・ヴォトチェクは1872年10月5日にトルトノフ近郊のホスティネー (Hostinné) で紙問屋の子として生まれました。当初は父の意向によりプラハ商科アカデミーで学びましたが、化学に転向してプラハのチェコ高等工科学校 (ドイツ語: Tschechische Technische Hochschule ; チェコ語: Česká vysoká školá technická) を卒業しました。次いで学んだミュルーズ (ミュールハウゼン、当時はドイツ帝国エルザスに属した) の染色学校 (おそらく高等化学校 École Supérieure de Chimie de Mulhouse) では、付加反応によるフクシンの無色化を利用した亜硫酸塩の検出試薬である「ヴォトチェクの試薬」(Votoček's reagent) を発見しました。その後、ドイツのゲッティンゲン大学の農芸化学者ベルンハルト・トレンス (Bernhard Tollens, 1841 - 1918) の下で研究し、以後は糖化学を専門としました。プラハに戻ると、1905年にチェコ高等工科学校の助教授、1907年に教授となり、1921年から1922年にかけてチェコ工科大学 (České vysoké učení technické. 1920年にチェコ高等工科学校から改称) の学長を務めました。1950年10月11日にプラハで亡くなりました。大学の教え子にルドルフ・ルケシュ (Rudolf Lukeš, 1897 - 1960)、オット・ヴィフテルレ (Otto Wichterle, 1913 - 1998) がいます。

化学者としては「ヴォトチェクの試薬」発見のほかに、専門の糖化学の分野においていくつかの糖を発見し、国際的に採用されたメチルペントースの命名法を確立しました。その他の化学の分野においても、水銀滴定によるハロゲンの定量分析法を発見し、アレクサンドル・ソンメル=バチェク (Alexandr Sommer-Batěk, 1874 - 1944) と共同でチェコ語での化学命名法の確立に貢献するなどの成果を残しました。著書には教科書として書かれた「有機化学演習 Cvičení v chemii organické 」(1899-1901)、「無機化学 Chemie anorganická 」(1902)、「有機化学 Chemie organická 」(1927) のほか、チェコ語、ドイツ語、フランス語、英語、イタリア語、ラテン語の「6言語化学辞典 Šestijazyčný chemický slovník 」(1941) などがあります。

音楽家としてはピアノ曲、室内楽曲、歌曲などを作曲して70曲ほどの作品を残し、「外国語成句の音楽辞典 Hudební slovník cizích výrazů a rčení [Musical dictionary of foreign expressions and phrases] 」(1946) の編纂をしています。

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