2016-05-05

100th Death Anniversary of Graham Ponsonby Moore

Graham Ponsonby Moore (Australia, 1859 - 1916) - 6 Lyric Pieces, Op. 48; No. 1. Shepherd's Song. Andantino (A minor)

今日はオーストラリア出身の英国の作曲家・ピアノ奏者、グレイアム・ポンソンビー・ムーア没後100年の命日です。今回はムーア作曲「6つの抒情小品 Op. 48」より第1曲「羊飼いの歌 イ短調」を弾きました。「6つの抒情小品」の残りの曲は「田舎の歌」、「小ロマンス」、「小ワルツ」、「夢」、「バガテル」となっています。

グレイアム・ポンソンビー・ムーアはオーストラリアのバララットに生まれ、ベルリンの新音楽アカデミー (Neue Akademie der Tonkunst) で創設者のテオドール・クラクに、次いでフランツ・クサヴァー・シャルヴェンカモーリッツ・モシュコフスキにピアノを師事しました。のちにロンドンを活動拠点とし、王立音楽大学の教授、英国王立音楽検定 (ABRSM ; The Associated Board of the Royal Schools of Music) の審査員を務めています。作曲家としては主にピアノ曲を残しています。

出典: Baker, Theodore: Baker's Biographical Dictionary of Musicians, 3rd Edition, 1919, page 621

2016-04-29

150th Birth Anniversary of Ferruccio Busoni

Ferruccio Busoni (Italy, 1866 - 1924) - 3 Pezzi nello stile antico, Op. 10, BV 159 (1880); No. 3. Gigue. Allegro vivace (C minor)

今年はイタリア出身の作曲家・ピアノ奏者、フェルッチョ・ブゾーニ生誕150年です。今回はブゾーニ作曲「古い様式による3つのピアノ小品 Op. 10, BV 159」より第3曲「ジグ ハ短調」を弾きました。ブゾーニには同じ作品番号が複数の作品についている例がいくつもあり、 Op. 10 もいくつかの異なる作品 (BV 12, 72, 81/5, 88, 126/4, 159) につけられているので注意が必要です。

「古い様式による3つのピアノ小品」は1880年7月までに作曲され、このときブゾーニは14歳でした。同時期には「古い舞曲集 Op. 11, BV 126」「24の前奏曲 Op. 37, BV 181」「村の祭り、6つの性格的小品 Op. 9, BV 185」などが書かれています。曲集は「メヌエット ハ長調 (Op. 40)」、単一楽章の「ソナティナ ト長調 (Op. 46)」、そしてこの「ジグ ハ短調 (Op. 75 (Op. 44))」からなり、それぞれ作曲家の Ernesto Colombani (1854 - 1921), G. Gaiani, Alessandro Busi (1833 - 1895) に献呈されています。「ジグ ハ短調」を献呈されたアレッサンドロ・ブージはチェロ奏者でもあり、教育者としてはボローニャ音楽学校の和声法教師、対位法教授を歴任しています。

2016-04-18

200th Death Anniversary of Johann Paul Schulthesius

Johann Paul Schulthesius (Germany, 1748 - 1816) - Sonata a Solo per il Cimbalo a Pianoforte, Opera II (A major); III. Andantino. Grazioso

今日はドイツ出身のイタリアの作曲家・ピアノ奏者・神学者、ヨハン・パウル・シュルテジウス没後200年です。今回はシュルテジウス作曲「チェンバロまたはピアノのための独奏ソナタ イ長調 Op. 2」より第3楽章 アンダンティーノを弾きました。

祖父ヨハン・ハインリヒ・シュルテジウス、父ヨハン・ニコラウス・シュルテジウスともにオルガン奏者という、代々続く音楽家の家庭のもと、フェヒハイム (Fechheim, 現在のバイエルン州ノイシュタット・バイ・コーブルク) に生まれたヨハン・パウル・シュルテジウスは、エアランゲン大学 (現在のフリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルク) で神学を学びつつ、ヨハン・バルタザール・ケール (Johann Balthasar Kehl, 1725 - 1778) のもとでオルガンを学びました。1773年にトスカーナ大公国リヴォルノに移住し、以後同地でルター派牧師・音楽家として活動しています。

2016-04-13

200th Birth Anniversary of William Sterndale Bennett

William Sterndale Bennett (England, 1816 - 1875) - Praeludium in B flat major for Piano, WoO 60 (1863)

今日はイングランドの作曲家ウィリアム・スターンデイル・ベネット生誕200年の誕生日です。今回はベネット作曲「前奏曲 変ロ長調 WoO 60」を弾きました。楽譜は "The London pianoforte school 1766-1860 : Clementi, Dussek, Cramer, Field, Pinto, Sterndale Bennett, and other masters of the pianoforte. Volume 18: Works for pianoforte solo II by William Sterndale Bennett" (New York: Garland Publishing Co., 1984) に収録されています。

ベネットについては以前、「性格的練習曲 熱情 L'Appassionata, Op. 29/2」の演奏動画を投稿したのでここで紹介しておきます。

2016-04-12

300th Birth Anniversary of Felice Giardini

Felice Giardini (Italy, 1716 - 1796) - String Trio in E-flat major, Op. 17 No. 1; II. Siciliana. Adagio (A-flat major) (from 101 Classics, The World's Most Famous Piano Solos, edited by Ralph Dunstan)

今日はイタリアの作曲家・ヴァイオリン奏者、フェリーチェ・ジャルディーニ生誕300年の誕生日です。今回はジャルディーニ作曲「ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための6つの三重奏曲 Op. 17」第1番 変ホ長調 より 第2楽章 シチリアーナ 変イ長調 のピアノ独奏編曲を弾きました。

2016-03-24

100th Death Anniversary of Rudolf Haase

Rudolf Haase (1841 - 1916) - Frühlingsblumen, 4 Charakterstücke für Pianoforte, Op. 14; Nr. 3. Schlüsselblume

今日はドイツの作曲家・オルガン奏者、ルドルフ・ハーゼ没後100年の命日です。今回はハーゼ作曲「春の花、4つの性格的小品 Op. 14」より第3曲「プリムラ (サクラソウ)」を弾きました。「春の花」は4曲からなるピアノ小品集で、ほかに「スノードロップ (マツユキソウ)」、「初めてのスミレ」、「アネモネ」があります。楽譜の表紙 (下図) は4種の花の絵で縁取られています。

ハーゼはザクセン=アンハルト州ケーテンに生まれ、ライプツィヒモーリッツ・ハウプトマン (Moritz Hauptmann, 1792 - 1868)、イグナーツ・モシェレス (Ignaz Moscheles, 1794 - 1870)、エドゥアルト・ベルンスドルフ (Eduard Bernsdorf, 1825 - 1901) に師事しました。1867年には生地のケーテンで音楽教師・教会オルガン奏者となり、同地で没しています。

出典: International who's who in music and musical gazetteer (New York: The Current Literature Publishing Company, 1918), page 248.

2016-03-23

100th Death Anniversary of Alfred Schüz

Alfred Schüz (Germany, 1845 - 1916) - Ägyptisches Motiv (Neue Musik-Zeitung, 1902)

今日はドイツの作曲家・音楽著述家であるアルフレート・シュッツ没後100年の命日です。今回はシュッツ作曲「エジプトのモティーフ」を弾きました。この曲の楽譜は1902年に「新音楽新聞 Neue Musik Zeitung 」に掲載されました。

ヴュルテンベルク州立図書館シュトゥットガルト (Württembergische Landesbibliothek Stuttgart) によると、シュッツはテュービンゲンに生まれ、シュトゥットガルトのバート・カンシュタット (Bad Cannstatt) で亡くなったということです。IMSLP には1892年から1903年にかけて「新音楽新聞」に掲載されたピアノ小品がこの曲を含めて4曲あります。

2016-02-14

100th Death Anniversary of Andrey Shcherbachyov

Andrey Vladimirovich Shcherbachyov (Андрей Владимирович Щербачёв, Ukraine, 1869 - 1916) - 6 Miniatures pour piano, Op. 5; No. 6. Tempo di valzer ma non troppo (G major)

今日はウクライナの作曲家アンドレーイ・シチェルバチョーフ (アンドレイ・シチェルバチョフ) 没後100年の命日です。今回はシチェルバチョーフ作曲「6つのミニアチュール Op. 5」より第6番ト長調を弾きました。速度標語にもあるとおり、ワルツの様式で書かれた曲です。

シチェルバチョーフはマヌイロヴォ (Мануйлово, 現在のポルタヴァ州クレメンチューク地区の街) に生まれ、ポルタヴァでニコライ・フリスチアノーヴィチ (Николай Филиппович Христианович, 1828 - 1890) にピアノを師事。1887年から1889年にかけて、ペテルブルク音楽院でフェリクス・ブルメンフェリトにピアノを、アナトーリー・リャードフニコライ・リムスキー=コルサコフに音楽理論を師事しました。1889年にペテルブルク大学に進学したのち、1903年から官吏として財務省などに勤め、現任発事官 (Действительный статский советник) に昇格します。同姓の作曲家であるニコライ・シチェルバチョーフ、ヴラディーミル・シチェルバチョーフの2人とは遠縁にあたるといいます。

出典: Музыкальная энциклопедия (1973 - 1982)

2015-12-29

200th Birth Anniversary of Robert Volkmann

Robert Volkmann (Germany, 1815 - 1883) - Buch der Lieder für das Pianoforte, Op. 17; Heft 2 Nr. 3. Andante religioso (F-Dur)

ドイツの作曲家ローベルト・フォルクマン生誕200年ということで、フォルクマン作曲「ピアノのための歌の本 Op. 17」より第6曲 (第2巻第3曲) 「アンダンテ・レリジョーゾ ヘ長調」を弾きました。

ザクセン王国ロマッチュ (Lommatzsch) に生まれたローベルト・フォルクマンは、カントルである父にオルガンとピアノを、フリーベル (Friebel) にヴァイオリンとチェロを師事。進学したギムナジウムがあったフライベルクでアウグスト・フェルディナント・アナカー (August Ferdinand Anacker, 1790 - 1854) に、次いでライプツィヒでカール・フェルディナント・ベッカー (Carl Ferdinand Becker, 1804 - 1877) に作曲を師事しました。

3巻からなるピアノ曲集「歌の本」はハインリヒ・ハイネの同名の詩集 Buch der Lieder から題名を取ったもののようです。ピアノ独奏のための歌ということで、無言歌集に類するものと考えて良いでしょうか。第1巻と第2巻は1854年に、第3巻は1860年にそれぞれ出版されていて、チェコ出身の作曲家・ピアノ奏者であるヨーゼフ・フィシュホフ (Joseph Fischhof, 1804 - 1857) に献呈されています。

2015-12-28

200th Birth Anniversary of Fredrikke Egeberg

Fredrikke Egeberg (Norway, 1815 - 1861) - 6 Sange uden Ord for Pianoforte (6 Songs without Words for Piano); No. 1. Adagio cantabile (F minor)

ノルウェーの作曲家・ピアノ奏者、フレドリッケ・エーゲバルグ (フレゼレゲ・イーイベア) 生誕200年ということで、エーゲバルグ作曲「ピアノのための6つの無言歌」より第1番ヘ短調を弾きました。

フレドリッケ・エーゲバルグはデンマーク=ノルウェーのクリスティアーニア (現在のオスロ) にデーマーク人の材木商ヴェスティエ・エーゲバルグ (ヴェステュー・イーイベア ; Westye Egeberg) の9人いた子のうちの末の一人娘として生まれました。姓はシェラン島の都市イーイビェア (Egebjerg) に由来します。外科医であった兄のクリスティアン・アウグスト (Christian August Egeberg, 1809 - 1874) はチェロをたしなみ、その娘 (フレドリッケの姪) であるアンナ (Anna Egeberg, b. 1843) とフレドリッケ・リンブー (Fredrikke Lindboe, née Egeberg) は作曲家になりました。家族ぐるみの友人であったオーレ・ブル (Ole Bull, 1810 - 1880) とは、私的に室内楽の演奏を楽しむ仲だったようです。

出典: Fredrikke Egeberg | Norsk biografisk leksikon