Hans Huber (Switzerland, 1852 - 1921) - Gedenkblätter. Poesien für Klavier, Op. 26 (Alice Roman gewidmet. Leipzig: Fr. Kistner, 1877); No. 3. Wie improvisiert (quasi improvisatione. B major).
今日はスイスの作曲家・ピアノ奏者・音楽教育者、ハンス・フーバー没後100年の命日です。今回はフーバー作曲「記念帖、ピアノのための詩曲集 Op. 26」より第3曲「即興風に ロ長調」を弾きました。
1852年6月28日にゾロトゥルン州エペンベルク=ヴェシュナウ (Eppenberg-Wöschnau) で生まれたハンス・フーバーは、10歳になるとゾロトゥルンの聖ウルス大聖堂 (St. Ursenkathedrale) の聖歌隊員となり、同教会にある Choraulen- und Partisteninstitut で学びました。この頃にカール・ムンツィンガー (Karl Munzinger, 1842 - 1911) に音楽の手ほどきを受け、合唱団コンサートのピアノ伴奏や、礼拝でのオルガン演奏を引き受けました。ムンツィンガーの助言に従いライプツィヒ音楽院 (Conservatorium der Musik) に入学し、同音楽院でエルンスト・フリードリヒ・リヒター (Ernst Friedrich Richter, 1808 - 1879)、カール・ライネッケ (Carl Reinecke, 1824 - 1910)、エルンスト・フェルディナント・ヴェンツェル (Ernst Ferdinand Wenzel, 1808 - 1880) に師事し、1870年から1874年までピアノと作曲を学びました。
エルザス (アルザス、1871年から1919年までドイツ帝国領) のヒュセレン=ヴェセルリング (ユスラン=ヴェセルラン Hüsseren-Wesserling) で音楽家庭教師や教会オルガン奏者として2年間活動したのち、エルザスのタン (Thann) の音楽学校での教師を経て、1877年にスイスのバーゼルに移りました。1880年に歌手のイーダ・ペツォルト (Ida Petzold, 1857 - 1925) と結婚。イーダの父は声楽教師・オルガン奏者・ピアノ奏者・作曲家のカール・オイゲン・ペツォルト (Karl Eugen Petzold, 1813 - 1889) です。フーバーはこの頃には作曲家としても評価され、とりわけ14世紀スイスの伝説上の人物ヴィルヘルム・テル (Wilhelm Tell) を題材とした「テル交響曲 Eine Tell-Symphonie, Op. 63」(1881年出版、義父カール・オイゲン・ペツォルトに献呈) やヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ (Johann Wolfgang von Goethe, 1749 - 1832) の同名の戯曲に基づく合唱曲「パンドーラー Pandora, Op. 66」(1882年出版) はスイス国中で人気を博しました。1889年からバーゼルの総合音楽学校 (Basler Allgemeine Musikschule. 現在のバーゼル市立音楽アカデミー Musik-Akademie der Stadt Basel) でピアノ教師となり、1896年にゼルマー・バゲ (Selmar Bagge, 1823 - 189) の後任として同校の校長となり、1918年まで務めました。1892年にはバーゼル大学 (Universität Basel) から名誉博士の称号を授与されています。また、1899年から1902年までバーゼル合唱団 (Basler Gesangverein) 指揮者を務めました。1905年に総合音楽学校の施設として音楽院 (Konservatorium) を併設しました。1917年に病のため休職し、翌年には全ての公職から退きロカルノ (Locarno)に移りました。1921年12月25日にロカルノで亡くなりました。
教え子に以下の人物がいます。
以前に全曲を演奏したフーバー作曲「子供のアルバム、スイス民謡による16のピアノ小品」も併せて紹介します。いずれの曲も全6巻のスイス民謡集「バラ園にて Im Röseligarte 」のうち当時既刊だった5巻までに収録された民謡をもとに作曲されています。第10番「変奏曲 ト長調」の主題 Im Röseligarte IV 65 “a, b, c, d, e, f, g” は、日本では「きらきら星」として知られる旋律です。
Hans Huber - Jugendalbum. 16 Klavierstücke über schweizerische Volkslieder (Leipzig: Gebrüder Hug & Co., 1919).
出典:
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