Joel Engel (Юлий Дмитриевич (Йоэль) Энгель, Ukraine, 1868 - 1927) - Sommer-Skizzen, 6 Leichte Stücke für Klavier [Летние наброски, 6 Нетрудных пьес для фортепиано], Op. 19; No. 2. Hebräischer Tanz [Еврейский танец (народная мелодия)]
今日はウクライナ出身の作曲家・批評家、ヨエル・エンゲル (ユーリー・エンゲリ) 生誕150年の誕生日です。今回はエンゲル作曲「夏の素描集、6つの易しいピアノ小品 Op. 19」より第2曲「ヘブライ舞曲 ハ短調」を弾きました。この曲集は作曲者の娘であるヴェラ (Vera Engel-Dobrushna ; Вера Юльевна Энгель-Добрушина, born ca.1898) とアダ (Ada Engel-Roginskaya ; Ада Юльевна Энгель-Рогинская, 1901 - 1970) に献呈されています。
ロシア帝国のアゾフ海沿岸にあるベルジャーンシクに生まれたヨエル・エンゲルは、帝立ハリコフ大学 (Императорский Харьковский университет, 1890年卒業) で法学を学んだのちにモスクワ音楽院 (1897年卒業) でセルゲイ・タネーエフ (Sergey Taneyev, 1856 - 1915) とミハイル・イッポリトフ=イヴァノフ (Mikhail Ippolitov-Ivanov, 1859 - 1935) に作曲を師事しました。音楽院在学中の1893年より音楽批評を初め、卒業後の1897年から1918年までモスクワの日刊新聞「ロシア報知」(Русские ведомости) で批評家として活動しました。批評家を続けるかたわら民謡の蒐集に励み、ユダヤ音楽についての研究をしつつ自作の楽曲にもそれらの旋律を取り入れました。1908年にはペテルブルクで「ユダヤ民俗音楽協会」(Общество еврейской народной музыки) を設立します。晩年の1922年にはベルリンに、1924年にはパレスチナのテルアビブに移住し、同地で亡くなりました。代表作にシュロイメ・アン=スキー (Shloyme An-sky, 1863 - 1920) の戯曲「ディブック - 二つの世界のはざまで」への舞台音楽があり、その音楽による組曲 Op. 35 が出版されています。
出典: Музыкальная энциклопедия ; 黒田晴之「シャガールの描いた楽士はどんな音楽を演奏したか (2) - あるいはロシア革命前後のユダヤ人が展開した音楽について」(言語文化研究 = Studies in language and literature 27(2), 67-101, 2008-03-01)
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