2013-03-26

Piano Works on Five Notes

バイエルの謎 日本文化になったピアノ教則本」 (安田寛 著, 音楽之友社) に出てきた「静かにした手」 (定置の手; Stillstehende Hand) について調べると、興味深いピアノ2手・4手の曲が見つかったのでまとめてみました。音階の連続した5音に片手の5本の指を対応させるという制限のもとで作曲されていますが、4手作品では両手とも Stillstehende Hand の奏者とその制限のない奏者を組み合わせることによって、一方が初学者でも充実した響きを楽しめる作品となっています。これらの4手作品はピアノレッスンの中で生徒と先生の組み合わせで演奏することを想定して書かれたものでしょうが、初見の相手とも気軽に連弾を楽しみたいといったときにも使えるのではないかと思います。

For 2 Hands

For 4 Hands

2013-03-05

Kanonische Rätsel (Canonical Puzzle)

Felix Draeseke (1835-1913) - Kanonische Rätsel, Op. 42
Julius Lorenz (1862-1924) - Musikalische Scherz-Bagatelle フェリクス・ドレーゼケ没後100年の記念に「カノン風パズル」という風変わりなピアノ4手作品の動画をDTMで作ってみました。同一の譜面を第1奏者は高音部譜表で、第2奏者は低音部譜表で演奏するというものです。全部で6曲ありますが、それぞれ弾き始めを2小節分ずらすことによって13度のカノンにしているわけですね。同種の作品としてユリウス・ローレンツの「音楽的スケルツ・バガテル」というものもありました。これについては第2奏者が第1奏者から3小節分遅れて演奏します (Dieses kleine Musikstück ist vierhändig zu spielen. Spieler oben beginnt und spielt alles im Violinschlüssel; drei Takte später setzt der zweite Spieler ein und liest das Stueck im Baßschlüssel.)。