Vincenzo Righini (Italy, 1756-1812) / Ernst Pauer (Austria, 1826-1905) - Te Deum: III. Te ergo quaesumus (
Sonntagsmusik (Sunday Music) No. 58)
2012年もそろそろ終わりですね。没後200年の作曲家ヴィンチェンツォ・リギーニの曲がエルンスト・パウアーの編曲・校訂によるピアノ曲集「日曜日の音楽」 (
Sonntagsmusik) にあったので、年が明ける前に弾いてみました。「日曜日の音楽」では第58曲に "Te Deum" の題名で収録されていますが、全曲を編曲しているわけではなく、テ・デウムの中の「願わくは、尊き御血をもて」 (Te ergo quaesumus) を編曲したもののようです。
リギーニはモーツァルトと同い年の作曲家。イタリア出身でプラハ、ウィーン、パリなど欧州各地に拠点を移し、1787年よりドイツで活動しています。1790年頃、ボン時代の若きベートーヴェンは、リギーニのアリエッタ「恋人よ来たれ」 (Venni Amore) を主題として24の変奏からなる大規模な変奏曲 (
WoO 65) を書いています。
「日曜日の音楽」はバロック期からメンデルスゾーン・シューマンといったロマン派初期までの聖楽(あるいは聖楽風)の小曲を100曲集めたものです。日曜日の教会で演奏することを想定して付けられたタイトルなんでしょうか。有名どころだとベートーヴェンのソナタの主題やメンデルスゾーンの無言歌が収録されています。